| その91 いつもの顔が…3 |
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他店とは比較できぬ程デカい大生を片手に、店長の復活を心から喜んだ。 野菜炒めやツナサラダも、昔の豪快な盛り付けに戻り、 久しぶりに我が家に帰ってきた椎名誠の心境になる。 聞くと、青い顔をした男が実は社長で、
客の前だろうが煙草を吸い、珈琲をジョッキで飲んでいるだらしない連中たが、
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| その92 感動作の後は |
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『戦場のピアニスト』で深い感動に包まれ、溢れる涙を必死に堪え、居酒屋に向かった。 美味そうな比内鶏の串焼きや、白レバーの刺身を前にするが、
三千盛は、丸太の様な体格の不器用な青年の味わいで、ピアノより暴れ太鼓が合うようだ。
シュピルマンに憧れ、ピアノを始めようとする私がいて、
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| その93 ナショナリストってか? |
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軽く干した小魚を丁寧に炙り、熱々の酒を注ぎ込む。 今夜の骨酒は姫小鯛と底イトヨリだ。 大海の厳しい掟の下で、懸命に生き続けていた魚達の渾身の叫びが、
生ハム様のボラの薫製も然りで、かすかに残るくるみの香りを骨酒で洗い流すと、
味の無くなった身をも食い付くし、己の残虐さに愕然とした。。
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