フライパンを使いこなしてみましょう。
フライパンで加熱調理する方法として、炒め物のほかにいわゆるソテーという調理法があります。これは要するに油などをひいて大きく切った素材を焼く、いわゆるステーキみたいな調理法方法です。特徴として、見た目の派手さに比べて加熱の手順自体は簡単なので、初心者にもむいていますし、下ごしらえと味付けを変えればいろいろなバリエーションを楽しめるたりします。特に料理をしない人にとってはものすごく難しそうな料理に見える事もあるそうなので、ミーハーな自炊初心者もそうでない人もぜひ挑戦してみましょう。
ここでは肉、魚などを素材とした場合の下ごしらえや味付けのコツついて書いていこうと思います。これらの素材は、初心者編で書いた目玉焼きと違って火のとおりも悪く、また臭みがあるのでちょっとした工夫が必要です。あと肉と魚はあらかじめ味付けをした方が美味しい所も注意が必要です。
まず肉の種類について考えていこうと思います。メジャーな肉には、鳥、豚、牛とありますが、基本的な違いはこの順に味が濃くなっている(=臭みがある)ということです。したがって、味付けや、臭み対策も異なるわけです。
次は魚です。魚は大まかに白身と赤身、青身の魚があります。
ここでは実際にソテーとはどうやるのかについて、下ごしらえと焼き方の両面から解説していきます。
まず、身を切らなければなりません。たいていの肉はソテーするのにちょうどいい大きさで売っているので、あまり切る必要はありませんが、身の厚いもの(特に鳥肉)に対しては格子状の切り込みを入れておく事をおすすめします。こうすることで短時間に下味付けができ、かつ火も通るようになるので非常に経済的です。またアジやサバのような魚の場合、まるごと一匹で売っている事があるので、そのような場合は三枚(二枚)におろす必要があります。
次に下味の付けます。和風味をつけたい時はベースに醤油を用い、それに日本酒、しょうが、にんにく、からし、山椒などの臭み消しを用います。中華風は基本的には和風と一緒なのですが、味付けにナンプラーやオイスターソース、臭み消しに紹興酒や中華風スパイス(八角やシナモンなど)、焼き油に胡麻油を使ったりすると本格的です。洋風は様々なバリエーションがありますが、一般的にマリネが有名です。マリネするには香辛料(ローレル、タイム等)と植物油(オリーブオイル、サラダ油等)、酢(ワインビネガー、バルサミコ酢)もしくはレモン汁、ワインを混ぜてマリネ液をつくります。また、わざわざマリネ液を作るのが面倒な場合は、ワインにつけるだけでも臭みは取れます。
これらの調味料をよく混ぜて、ボールやバット(無い場合は、買ってきた時に入っていたトレー容器)に入れ、そこに肉を入れて最低20分くらいは漬けておきましょう。この間に付け合わせの野菜などの下ごしらえをするのがおすすめです。
漬けておいた肉を取り出し、水気(=下味の調味料)を切ります。こうすることでフライパンに入れた時油が飛ぶのを防ぐことが出来ます。次にフライパンをコンロの上において火にかけます。フライパンが温まったところでサラダ油(もしくはバター、ラード、牛脂)を入れて、白い煙が出る寸前まで待ちます。ただし、テフロンのフライパンを使っている場合は、耐熱性がないので白い煙が出るようなことはしてはいけません。
必要なら、この時身にころもをつけます。ころもには、小麦粉、かたくり粉を用い、必要に応じてときたまごやパン粉をつけます。ころもは焼く寸前につけた方が良い(身から汁気が出てきてころもがべちょべちょになると美味しくない)ので、焼く時はころもを入れた容器をフライパンのそばにおいて、ころもをつけながら焼くといいです。
フライパンから白い煙が出そうになったら身を入れて蓋をします。皿にのせる時上になる面を先に焼くと良いです。片面が焼けたら肉を裏返して火を弱め、また蓋をし中まで火が通るのを待ちます。片面が焼けるタイミングですが、手がかりとなるポイント3つあります。基本的にはじゅうじゅうという焼け音と焼く時間です。片面が焼けるにつれて肉汁のもれが少なくなるので、次第に音は小さくなっていきます。具体的にどんな音がした時とはいえませんがヒントにはなると思うので、耳で覚えてみてください。もう一つは透明の蓋を使っていないと駄目ですが、焼いていない方の面の色を見ることです。焼いていない方の面(見える方の面)の色が肌色(ちょっと火が通った色)になればだいたい裏面はいい具合に火が通っているので、参考にしてみてください。
それでは、鮭を一つの例として具体的な作り方を説明します。
これが最も簡単な方法です。実際はこのような簡単な所から始めて、技能が付いてきたらころもなどに挑戦してましょう。