■楽して後片付け

料理を始めないと意外と気がつかない事ですが、自炊において最も面倒で、最悪の場合自炊そのものをやめてしまう原因ともなる作業、それが「洗いもの」です。実際自炊をする人の中でも「料理をするのは好きだけど、洗いものは嫌」と言う人も多いと思います。僕も皿洗いなどは好きではないので、かねてからなるべく省力化したいと思ってきました。そんなわけでいかに楽をして後片付けをするかについていろいろ考えてみたいと思います。

■料理が完成するまでにできること

まず洗う前の段階、すなわち料理をしている最中から後片付けを楽にする事ができます。

1.洗い物を増やさない

当たり前ですが、料理を作る時点でこれを考慮に入れると皿洗いがだいぶ楽になります。実際にテレビの料理番組のようにやたら器を使う人はいないと思いますが、気付いていない所で意外に無駄が多いものです。そんなわけで、現実的なアドバイスを幾つか挙げておきます。

・盛り付けするための器(お椀等)を、徹底的に使う
例えばテレビの料理番組の場合、切ってしまった材料や計量した後の調味料などは、小さなガラスボールに入れますよね。ところが実際の家庭では、そんな小さなボールを置く場所も無ければ持ってさえいない事が多いわけです。まあ仮にそんな器があっても、使って洗い物が増えるのは嫌なわけですよね。そこで切ってしまった材料なんかは、盛り付けるための器に入れてしまおうというわけです。具体的には切った後の材料を入れる他に、乾物を戻すための器や下味付けをする時に材料と調味料を入れる器など、料理をする過程でおよそ考え付く限り必要な器をすべてを、盛り付け用の食器で代用すれば大幅に洗い物が減らせます。特に中華炒めなどに使う混合調味料は、慣れてくればおたまで測って茶碗で混ぜるだけで作る事ができるので、いちいち計量カップや計量スプーンなどを使わずに済ませる事ができるようになります。 まあとにかく、最も簡単かつ効果的な方法だと僕は思っているので、是非実践してみてください。
・鍋は同時に1つだけ使う
幾つもの鍋を同時に使う事で調理時間そのものを短くする事ができるのは、コンロの多い家の特権です。しかし、その分だけ鍋をたくさん洗わなくてはなりません。実際の所、一人暮らしの食事において多くの鍋を使って調理しても、それほど調理時間が短くなるわけではありません。この事を踏まえて考えると、一人暮らしの料理においては使う鍋はなるべく少ない方が、洗い物が減る分だけメリットが大きいと考えられます。
したがって、いろいろな素材を加熱する必要がある場合、1つの鍋で茹でもの→煮物→味噌汁というように調理してみましょう。つまりは1つの鍋を、最初は加熱してから冷やして食べるような料理に使い、食べる時アツアツが良いような料理には最後に使うというように時間配分を工夫すれば、1つの鍋で全ての料理を済ましてしまうよう事ができます。まあ実際洗う鍋が1つ減るくらいなので、実感できるようなメリットはないかもしれません。そんなわけで、家のキッチンのシンクが狭くて、鍋のような大きな物を洗うのが苦痛な場合なんかに向いている方法と言えます。

2.脂っこい料理は作らない

僕が自炊をしていて気がついた事なんですが、結局のところ洗うのが面倒なのは、油汚れの付いた食器なんですね。案外その他の種類の汚れは、ちょっとしたものならば洗剤なしでもきれいにする事ができます。つまり油っぽい料理さえ作らなければ、洗剤やスポンジを使わずに手と水で洗い流すだけで、ほとんどの食器をキレイにする事ができるわけです。
そんなわけで、どうしても油を使いたい料理を作る時以外は、極力油を使わないようにすると皿洗いが簡単になります。これに適応する料理のジャンルは、やはり和食ですね。僕は実際自炊をはじめてから和食党になったなので、この点は非常に痛感しました。しかも当時減量していた僕としては、油料理を作らなくなればダイエットにもなるし、一石二鳥になったわけです。また、もし洋食や中華料理で油を多く使うにしても、バターなどの融点が高い動物性油ではなくオリーブ油などの融点の低い油を使う事で、食器に残るギトギト感を減らす事ができます。
そんなわけで、どうしてもボリュームのある料理が食べたいとき以外は油を使わないと洗いものが簡単になりますんで、是非試してみてください。

■洗うときのポイント

皿洗いについては結局、食事が終わった後にすぐ洗う事以外に重要な事はないのですが、少しでも楽をしようという観点から僕が行っているちょっとしたコツを紹介していこうと思います。

1.洗う順番に注意する

これも油汚れに関する事です。「料理が完成するまでにできること」で書きましたが、おひたしや冷やっこなど油を使わない料理を入れた食器は、水でさっと流すだけできれいになります。ところが、これらの食器を油汚れのついた食器(鯖の塩焼きを置いた皿など)と一緒にすると、油汚れが移ってしまい結局全部の食器を洗うのに洗剤が必要になってしまいます。
したがって、油で汚れていない器は、油の汚れの付いた器と独立して洗った方が良いという事になります。つまりはそういった油で汚れていない器は、台所に持っていった時点でさっと水で流し、すぐ乾燥カゴとかに入れてしまえば良いわけです。その後に、油汚れの付いた食器を洗えば、被害は最小限に食い止められるという事になります。

2.熱湯を使う

最近の台所はお湯が出るようになっている場合が多く、洗いもので容易にお湯を使う事ができますよね。確かにお湯で洗うと油汚れも落ちやすいのですが、僕の実家(お湯が出る)での経験ではそれでもやっぱり油汚れのついた物を洗うのは面倒でした。しかも僕の場合、一人暮らしをはじめた時は、下宿先のアパートのキッチンにはお湯の出る機構は備わってませんでした。
で「これは面倒だ」と思って、仕方なく料理を作っている最中にお湯を沸かしておき、皿を洗う時にその熱湯を使う事にしたのですが、これが意外に汚れが良く落ちるのですよ。コツは、油汚れの付いた皿をシンクにならべてそこに一気に熱湯を注ぎこみ、油汚れを流してしまう事です。その後すかさず洗剤+少々の水を含んだスポンジで洗えば、かなりの油汚れを落とす事ができます。実際油の量を少なめにした料理であれば、本当に洗剤いらずになってしまうくらい有効な方法だったります。ただ、熱湯をかけたばかりの食器は予想以上に熱いので火傷には気を付けましょう。それに熱湯に対して変形してしまうような容器を洗うのにも使えませんので御注意くださいね。

と、僕の家ではこんな感じで皿を洗っています。順番的には、まずお湯を沸かす→水で洗うだけで取れる汚れの食器を洗う→沸いた熱湯をかけて油汚れのある食器を洗う→鍋、フライパンなどの一つでシンクを占領してしまうような大きなものを洗う、で行っています。洗いものが面倒だとお考えの方は、是非参考にしてみて下さいね。