■保存にこだわる

買った素材はすぐに使うのが一番なんですが、安く売っている時にまとめ買いして保存しておいたほうが、買い物に行く手間も費用も省けるわけです。そうなると、まとめ買いした素材の長期的な保存方法が必要になってくるわけですよね。僕がいろいろな本を読んで調べた結果、現在僕が使っている保存方法について幾つかのポイント分かったので、その保存について方法別に解説していきます。

■そのまま置いとく常温保存

常温保存する野菜

そのまま置いておく、すなわち温度的には特定の状況下に置く必要がなく、箱に入れるなどして台所にほうっておく保存方法です。とにかく何も設備が要らないので経済的ですし、使いたいときにさっと取り出せて解凍などの作業も要らないという意味では、最も楽な保存方法といえます。そんなわけで楽して保存するには、可能な限りこの方法を取るのがベストという事になります。

常温保存にむいている素材:

山芋やにんじんを除く芋類、乾物(高野豆腐、乾燥コンブ等)、穀物(麺類、米など)、にんにく、玉ねぎ、かぼちゃ、なす、果物など。

方法:

基本的には、これらの素材をそのままダンボール箱かなんかに入れて置いとけばOKなんですが、素材にもよって気をつけるポイントが二つあります。乾物の常温保存
一つ目は、湿気がなく乾燥した所に置く事です。特に穀物や乾物は湿気があるとすぐ悪くなってしまうので、密封容器に入れる必要があります。まあこれは虫が付くのを防ぐという意味でも効果があるのでぜひやってみましょう。また、たとえ芋類であろうとも、表面に水分が付いた状態で保存するとすぐ悪くなってしまうので注意が必要です。
それともう一つの気をつけるポイントは、暗い所で保存する事です。特に直射日光が差すような明るい所に置いておくと、温度が上がってしまうので、いくら常温保存ができるといっても保存期間が短くなってしまいす。長期保存を目指しているんだからわざわざ保存期間を短くする事はないですよね。またジャガイモでは毒性の芽が出てきたりして食べられなくなってしまうので、やはり直接明かりがあたるような所には置くべきではないです。

という感じで我が家では常温保存を行っています。各家庭によって条件も異なってくると思うので、上の方法で2週間持たないようなら、置いた場所に何か問題があると考えて場所を変えてみたりしましょう。時刻によって日があたったりする場所もありますし、冷蔵庫の横などは意外と温度が高くなっている場合が多いので、どうも持ちが悪いなぁと思ったらいろいろ場所を変えてみると良いです。僕のおすすめ保存場所は、台所の床や天井に近い所にある棚なんかですね。
あ、それと書くのを忘れましたが、一度切った素材は常温保存にむいていないので、皮をむいたジャガイモや食べかけの果物などは常温保存しようなんて考えないようにしましょう。

■冷蔵庫に入れる冷蔵保存

冷蔵庫が普及している事もあり、自炊においてはもっともメジャーな保存方法です。ところがそれだけメジャーな保存方法にもかかわらず、買ってきた素材をそのまま中に入れておくだけという事が多いと思うんですよ。お弁当やペットボトル飲料なんかを保存しておくにはそれでも問題はないんですが、自炊を始めてまとめ買いをするようになると、もう少し長く保存する必要が出てくるわけです。そんなわけで、保存期間を延ばすためのちょっとした工夫が必要について書いていきたいと思います。

冷蔵保存にむいている素材:

冷蔵向きの野菜

短期間(数日間くらい)ならたいていの素材は冷蔵保存できます。と書いてもよく分からないので具体例を挙げますと、実際に自炊をしていて冷蔵保存にむいている素材には、ホウレンソウなどの葉っぱ物、にんじん、トマト、きのこ類、長ねぎ、たまご、ベーコンなどの加工肉製品など常温保存のできないもの全般といった所です。もちろん常温保存ができるものは常温で保存したほうが、冷蔵庫のスペースを有効利用できます。

方法:

冷蔵庫での保存は一定の温度で管理できるのが最大のメリットなんですが、問題点として乾燥があります。そんなわけで保存期間を少しでも延ばそうと思うと、乾燥対策が必要になってきます。乾燥対策のポイントは、とにかく冷蔵庫内の空気に素材を直接触れさせない事です。まあこれはカビたり腐ったりするのを防ぐ意味でも大切です。
そんなわけで素材別に解説していきますと、豆腐や練り物、納豆、もしくは肉の加工品(パック入り)などは、買ってきたままのパックに入れておけばひとまず安心と言えます。また、買ってきたパックを開封してしまった場合は、ラップに包むか(豆腐の場合水を満たした)密封容器に入れて保存しておけばすぐに悪くなる事はありません。冷蔵のために下ごしらえされた野菜
また、比較的乾燥に強い素材、つまり卵やトマトやピーマン、きのこ類も買ってきた時入っていたパックのまま保存しておけば1週間は持ちます(ただし割ったり切ってしまった場合は、上の素材と同様に断面をラップで包んだりして次の日くらいには食べてしまいましょう)。 で、問題はそれ以外の物です。野菜一般、つまりホウレンソウなどの葉っぱ物、キャベツ、白菜、長ねぎ、さやエンドウ、おくらなどは買ってきてそのまま冷蔵庫に入れておくと、すぐ干からびてしまいます。これを解決するために登場するのが新聞紙です。買ってきた野菜類はすぐ洗って、少し湿らせた新聞紙でくるんでから冷蔵庫にしまいましょう。こうする事で野菜の保存期間がかなり延びます。ホウレンソウ、ニラなんかの葉っぱ物で1週間、キャベツ、長ねぎなどは2週間以上持ちます。また白菜などの比較的保存が利く野菜の場合、冬季であれば新聞紙で包んだ状態で常温保存しても結構持ちます。

■凍らせてしまう冷凍保存

一人暮らしをしていてまとめ買いを始めると、1週間でも食べきれないような量を販売してしる場面に出くわす事もあると思います。そんな時安さに負けて思わず買ってしまい、その多さに辟易したという経験がある方も多いと思います。実際僕も、多すぎて食べきれずに腐らせそうになり、その後しばらくは買わないほうが得だなぁなんて買うのをためらっていました。

そこで登場するのが冷凍保存です。冷凍保存というと、解凍が面倒だとか味が落ちるとかいろんなデメリットがありますが、ちょっと工夫すればある程度はそれを防ぐことができます。そうすれば一括購入のメリット、安さを生かす事ができるわけなので、素材の保存には最適の方法という事になります。それに家の冷蔵庫がアイスクリームと製氷のためだけにあると思うと勿体ないですしね。そんなわけで冷凍保存をきわめて、大量購入→一括冷凍→チョビチョビ使う、という激安パターンを身につけましょう。

冷凍保存にむいている素材:

水分が少ないものならだいたいOKです。具体的には肉類一般、魚の切り身や干物、茹でた野菜(生のものは確実に味が落ちます)、油揚げ、ご飯、乾物の中でも特に湿気に弱いお茶や煮干などです。もちろん作りだめした煮物の残りなども可能です。逆に豆腐やコンニャク、生卵などはスポンジみたいになってしまうので、基本的に冷凍はやめましょう(世の中にはわざとそうする人もいるそうですが…)。

方法:

まず前置きですが、基本的に加熱してから冷凍した方が味落ちも少ないので、特に長期(1ヶ月程度)の保存を考えてるときは加熱してから冷凍しましょう。これはどんな素材についてもいえる事ですので、特にしょっちゅう自炊するわけではない人には必須の作業です。

冷蔵保存されてるもの

で、次は一ヶ月未満の冷凍保存にはどうしたら良いかについて書きます。生で保存する場合、肉、魚の干物、油揚げや乾物などなどは買ってきてすぐに、茹でた野菜、ご飯などは大量に作った時に、すぐ1回分に小分けにして、可能なら板状に整形しラップに包んで密封しましょう。その後いったん加熱したものについてはしばらく冷ましてから、冷凍庫に入れましょう。ここで板状にするのは、冷凍時も解凍時もすばやく熱が伝わるようにするためです。

次に、冷凍保存した素材の使い方について書きます。まず肉や魚の切り身の場合、使う時刻の8時間くらい前に冷蔵庫に入れておくと、料理を開始する頃にはすっかり解凍した状態にできます。別に解凍しないでそのまま調理しても何とかならない事もないですが、固くなってあんまり美味しくないです。
その他の魚の干物、茹でた野菜、油揚げなんかは料理に使う時にそのまんま火を通してしまって大丈夫です。つまり、魚の干物はそのまま焼き網に乗っけてしまえばいいし、茹でた野菜は煮物やスープにそのまま投入してしまって結構って事です。ただしこれらの材料はあらかじめ加熱されているので、その分を差し引いて料理が完成するちょっと前に加熱を始めるのがコツです。
続いて、ご飯や残り物の煮物などですが、これは電子レンジを使いましょう。たいていのものはラップに包まれたままで加熱してOKですが、油を含んだものや水気の多いものの場合は器にあけてラップをして加熱をしましょう。またご飯の場合、長期保存していると冷凍やけになる事があります。これを美味しく解凍するコツは、ラップでくるむ時に指でぱっぱと水を入れておく事です。こうすると電子レンジで解凍したときパサパサしません。