「承知しました。支度が終わりましたら、陸に上がりましょう。」とアワンは使者に言いました。 家来が下がると、アワンは正装に着替えました。長い波形の剣をさし、40着をくだらない服のなかから立派な服を 一着選びました。身支度が整うと、アワンとその一行は陸に上がりさっそうと砦に向かって歩き出しました。 歩きながらアワンは周りにたくさんのバナナの木があるのを見てほほ笑みました。 アワンと、その一行はベルナイ王の待つ砦につきました。 べルナイ王の娘、シティ・デビ姫はうわさの船長を見についてきていたのですが、一目見てアワンを気に入ってしまい ました。デビは首を伸ばして砦の窓からアワンを覗いていましたが、見るだけでは飽き足らずに、 パントンを歌い始めました。 太陽のワシを連れてきて下さい。 部屋の中に入って下さい。 あなたの妹が部屋に上がってと呼んでいます。 上がって私のそばに来て下さい。 アワンが気づかないようだったのではシティ・デウィはもう一度小さな声でつぶやきました。 「どうぞ座って、日の明るいうちに象牙の光るマストの下で休んでいって下さい。」 アワンが砦の中の建物に着くと、ベルナイ王はドアの外に出て、待っていました。 「おお、お若い衆、さあ上がって、一緒にご馳走を食べましょう。」と、王様は言いました。 アワンは恭しい態度で、上にあがり、王の手を握ってあいさつをしました。アワンは輝くばかりのりりしさでした。
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