次の日いつものようにバワンメラは池に行きました。けれども何度呼んでもお母さんの魚は姿をあらわしません。とうとうバワンメラはあきらめて家に戻りました。
その晩、お母さんが夢に出てきて、バワンメラにこう話しかけました。
「きのう食べたあの魚がお母さんだったの。でも、悲しまなくていいのよ。
私は消えはしないんだから。私といつも一緒にいたいなら、きのう食べた魚の骨を全部
拾い集めて裏庭に埋めなさい。」
目が覚めたバワンメラは、どうやってあの小さな骨を集めたらよいのかと思いました。
途方に暮れていると、なんと庭中のアリが魚の骨を集めるのを手伝いはじめ、
あっというまに骨は全部集められてしまいました。バワンメラはアリたちにお礼を言うと
骨を庭に埋めました。すると今度はとつぜん骨を埋めた場所から小さな木が生えてきたでは
ありませんか。木は日を追うごとにどんどん大きくなっていきました。
ある日バワンメラはその木の枝からブランコが下がっているのを見つけました。
それはお母さんの贈り物でした。それからは、バワンメラは時々一人でブランコにのりに行き
歌を歌ったり、心の中でお母さんに話し掛けたりと、楽しい時をすごしたのでした。
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