次の日、大臣は近くのタナ・ジャタ・ベヌア・テイラムという国へ船で向かいました。

その国はサンデルマ国王とサリアンギン王妃が治めていました。

船が港につきますと、大臣は国王夫妻からあたたかく迎えられました。

歓迎の宴の後で、王様から訪問の目的をたずねられた大臣は、自分の王様の悩み事を話しました。

サンデルマ王はそれを聞いて気の毒に思い、国で一番の占い師を招きました。

 

その占い師が恭しくいいました。

「セランカープリの王様が王子様にも王女様にも恵まれないのは運命です。

しかしどうしてもお子様が欲しいのでしたら白いクドンドンの実を探してください」

占い師の話によると、白いクドンドンの木は地の果てに実を結び、恐ろしいドラゴンが見張っている

というのです。

 

次の日、サンデルマ王は家来を集めて、誰か白いクドンドンの実を探しに行ってくれる者はいないか

とたずねました。ところが誰一人として自分から名乗り出る者はいませんでした。

ところが、この話を聞いた王様の息子サンゲンバール王子だけはひそかに行く決心をしていました。

王子はすでに場所の見当もついていました。けれども王子はその決心を両親に話さず置き手紙をして

出発していったのです。あとでそれを知った王様は心配のあまり倒れてしまいました。

 つづく

 

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