むかしグノン
レダンという国の山の上に、とても美しいお姫さまが住んでいました。
名前を グノン
レダン姫といいました。このお姫さまは魔法の力を持っていて、30通りの姿に変
身できるといわれていました。この美しくて魅力的なお姫さまのうわさは国中に広がっていきま
した。王族や、身分の高い人が、次々とお姫さまに結婚を申し込みましたが、お姫さまは断りつづけていました。
その当時 マラッカの国には、マンソールシャーという名前の王様が住んでいました。
この王様もうわさを聞き、まだあったこともないレダン姫にあこがれて結婚したいと思うように
なりました。そこで王様は山のような贈り物をお姫さまのために用意すると、一番えらい家来、
ハングナディムをお呼びになりました。
「おお、ハングナデム。この贈り物を持ってグノンレダン山に行ってくれ。
レダン姫に結婚を申し込んできてほしいのだ。
」と、王様は言いました。それから
「姫にあわずにマラッカに帰ってきてはならぬぞ
。」とつけ加えました。
「かしこまりました。王様。すべて
ご命令どおりに致します。 」 とハングナデムは答えました。
|