ところがレダン姫はせっかくナディムたちの運んできた贈り物を見ても少しも喜ばず、

ナディムにこう言いました。

  「マラッカに帰って、この贈り物では足りないと伝えてください。もし、陛下が本当に私と結

婚なさりたいならば、グノンレダンから陛下の宮殿まで金の橋をかけてください。」

ナディムはマラッカに帰り、王様に姫から言われたことを伝えました。

王様はそれを聞くと、とてもがっかりしました。が、どうしてもあきらめられません。

そして、たとえ宮殿の金で足りなくても橋を作ろうと決心し、兵士たちに国中の人々から

金を集めるようにと命令をだしました。

金のブレスレットや首飾りやイヤリングをとりあげられて国中の女たちが泣きました。

何千と言う人々が7日7晩、昼も夜も働きました。そうやって、とうとう その橋は完成した

のです。金で作られた橋はとても美しく光り輝きました。



王様はレダン姫にもう一度結婚を申し込みに行くようナディムに命じました。

金の橋のおかげで、ナディムは今度は苦もなくレダン姫のところへ行くことができました。

そればかりか金の橋は、グノンレダンへ行く使者の行列を照らし光り輝かせたのです。


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