あとがき

 

このお話には二つポイントがあると思います。一つは人食い巨人。3年ごとに生贄をだす。巨人というのは、

今までにないパタンでしたが、どこの地方のお話だったのでしょうか。

そういえば、日本にも、毎年娘を鬼に差し出差なければならない村に、若者がとおりすがり、その鬼を退治する物語が

ありましたね。 世界のお話はどことなく似ているのですが、それは偶然に似たのではなく人間が大昔から移動しながら

そういうお話を語り継いでいったり、伝播していったのだろうと思います。

(もっとも人間としての基本的な部分に寄るお話は、同時発生の可能性は高いと思いますが。) 

もう一つは悪いものをやっつけて王様になったという正当性。

今までのお話は王族のお話が多かったのですが、このお話は名もない貧しい若者の話になっています。

ある国で直系でない身分のないものが新しい王様になる時、正当性を証明するために、神話が必要になるのでしょう。

ところで、この人食い巨人と言うのはだれでしょう?強大な強い国をひとりの巨人のように擬人化していい伝えた

のかもしれません。生贄を差し出すことで恐怖でその国を支配下に置こうとしていたのではないだろうか?

などと想像も広がります。

 このお話には女性の登場部分が大変少なく、他のお話で活躍するマレーシアの女性達が登場しなくて、

正当性の印として、与えられるご褒美みたいな役割しかないので、私にはちょっとものたりません。

                                                                         Miki

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