二人が到着したとき、 宮殿の前には花が飾られていて、すでに大勢の人々が集まっていました。
                                 
みな、沈んだ顔をしていました。アワンと、カンピは人々の間に滑り込みました。

「みんな聞いてくれ。何故ここに集まってもらったかは諸君の既に知っている通りである。

我々はゲルガシ・カリキタに立ち向かう勇者を一人選ぶ。皆、前に出て並ぶようにとの陛下のご命令で

ある。」ペンデカール・トバが言いました。

それからインデラセガラ王が話はじめました。

「親愛なる我が民よ。明日はいよいよゲルガシカリキタに生贄の若者を差し出す日になってしまった。

これは3年ごとに我々に与えられる試練である。しかし私は約束しよう。生贄に選ばれたものがだれであ

れ、そのものが邪悪なゲルガシを退治することが出来たなら、この国の次の王に指名しよう。

私は強くそれを望んでいるのだ。私は既に年老いた。そして息子もいない。年ごとにぺリンギン国が

彼に脅かされるのを悲しんできたのだ。」

王の話が終わるとペンデカールトバが前に進んで番号札を引き、番号を読み上げました。人々の間に

ざわめきが起こりました。なんとその番号はアワンケラビのものだったのです。

アワンケラビは驚きました。明日ゲルガシカリキタのもとへ行かねばならない。ぼくはもう自由の身

ではないのだ。王の命令なのだ。目の前が真っ暗になりました。もし命令にそむけばどういうことにな

るか分かっていました。

 アワンはインデラセガラ王のもとに呼ばれ、巨人のところへ行く前に一晩家に帰るのを許されました。

翌日には宮殿に戻り、ゲルガシカリキタのところへペンデカールラビットによって連れて行かれるので

。もし、アワンが逃げたら家族全員が罰っせられるでしょう。

 

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つづく