アワンが宮殿に戻ると、大臣たちがアワンケラビがどうやってゲルガシの檻から逃げられたのか

口々にたずねました。アワンケラビは、インデラ王にじかに会ってから話したいといいました。

ペンデカールラビットとペンデカールトバが承知したので、皆でインデラ王に会いに行くことになりま

した。インデラ王はアワンケラビを見て大変驚きました。

「どうやって、おまえはあの大男から逃げてこられたのか?  この国はまた脅かされるのか?」

と王様が言いました。

「慈悲深い王様ご安心ください」とアワンケラビは言いました。

「邪悪なゲルガシは私が確かに退治しました。奴の死体は国境に長々とのびております」

すぐには信じられない気持ちでしたが、やがて王の顔は喜びに輝きました。

王は大臣たちと本当にアワンが巨人を倒した証拠を見るために丘に急ぎました。王の一行が到着すると

あの巨人が国境に沿って長々とのびているではありませんか。コタベリンギンの人々がぞくぞくとゲル

ガシの死体を見にやって来ていました。王様はこころから笑いました。

インデラ王が笑顔をお見せになるのは本当に何十年ぶりのことでした。

王様は国中で三日三晩、人食い巨人の恐怖から解放されたお祝いをするよう命じました。

お祝いの前にアワンケラビはたくさんの贈り物を頂き、年老いた両親のもとに帰る様に言われました。

両親は息子を抱いてうれし泣きをしました。彼らの望みがかなったのです。ファキル父さんはとても

感動しました。アワンがコタベリンギンの国を救い、ゲルガシの食べ物にならなかった初めての人間

になったからです。

 

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つづく