「慈悲深い王様。ほかに道はないと私も考えます。ベンダハラ候のお考えどおりに

なさるのがよろしいでしょう。是が非でも、次の一人をゲルガシのもとに連れて行か

ねばなりません。そうしないとこの国はたちまちゲルガシに踏みにじられることにな

るでしょう。そうなれば、きっともっとたくさんの人々が死ぬことになります。

たとえ国一番の剣士が戦ったとしても、残念ながら誰もあのゲルガシを倒せることが

できないのです。」と家来のペンデカールトバが言いました。

 会議は終わりました。ほかによい案もなく、巨人との約束を果たすことになりまし

た。王様は明日人々を集めるようにとベンダハラに命じましました。

ペンデカールトバがその中からゲルガシに与える若者を一人選び、その下の家来の

ペンデカールラビットはその若者を国境まで連れて行く役目を負っていました。

し約束の日に遅れたらゲルガシは大声で

約束はどうした!」と叫び、その声は国中を震わせることに

なるでしょう。

ゲルガシの声は宮殿の壁をも破壊できるほどの威力があるのです。

 

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  つづく