歌を歌ったら急に風が吹いてきたので、ジンパクは驚きました。

そして自分も歌いたくなって

「私も歌いたいわ。前と後ろ、どちらに座ったほうがいいかしら?」といいました。

サンガル姫はすぐ答えました。

「じゃ、後ろにお座りなさいな。」

二人は場所を交換しました。ジンパクは場所を変わるとサンガル姫のように歌ってみました。

ところが、船は風も吹かないのに後ろにもどってしまうではありませんか。

ジンパクはそれを見るとまた聞きました

「前と後ろどちらに座ったらいいかしら。」

すると姫は言いました。

「じゃ、前にお座りなさい。」

二人はまた場所を変わり、サンガル姫がまた歌い出しました。

西風よ、海流よ

私を中国へ連れて行って

本当のフィアンセに会うために

彼と一緒に故郷に帰りたいの

すると西風が強く吹いてきて船が滑り出しました。これを見るとジンパクはまたまたうらやましくな

り、もう一度場所を変わって歌いはじめました。

けれども、ジンパクが歌いはじめると船はまた反対方向に戻り始め、とうとうジンパクは恥ずかしくな

ってサンガル姫だけに歌を歌ってもらうことにしたのです。

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