さてはじめに予言されていた中国の皇子様の話をしましょう。

皇帝とお后様は皇子様がいっこうに結婚しようとしないので悩んでいました。

何人もの姫たちが結婚を申し込んできたのに、皇子様はみな断っていました。

ある晩のこと、皇子様は自分の花嫁になるお姫様がこの国にやってくるという夢を見ました。

皇子様はその夢を見て大変喜び、次の朝お母様とお父様に夢の話をしました。

はじめ二人は皇子様の話しを信じませんでした。

「信じてくださいお父様。この姫こそ私の花嫁になるひとです。」と皇子様は言いました。

熱心な皇子の願いを聞き入れて皇帝は、ただちに海辺の人々や、川岸に住んでいる人々にお

ふれをだし、海から来る船を見張るように命じました。たくさんの人々が船を待つことになり

ました。

            *     *     *

神さまのお力でサンガル姫とジンパクの乗った船は、ずうっと風に押され続けて

無事中国の海岸に近づく事ができました。

船の上から 海岸にたくさんの人々が 待っているのが見えました。

船が海岸に着くと 二人をお迎えするためたくさんの人がやってきました。ところが、

人々は皆、ジンパクのまわりに集まってきたではありませんか。

二人を比べてみると、ジンパクの服は美しくて、サンガル姫の服はあちこちほころんで汚れていたた

めでした。人々はくちぐちにジンパクの美しさを褒めたたえました。

つぎへ

7