船が到着したという知らせは宮殿にも届きました。 皇帝は近衛兵に客人を連れてくる準備を整えるよう命じました。 皇子様はこの知らせを聞いてたいそうお喜びになりました。 ジンパクとサンガル姫が宮殿のなかにしずしずとと入っていくと、 サンガル姫は他の人と一緒に座らされ、ジンパクは特別な席に案内されました。 人々は皇子様と海から来た姫との結婚を大喜びで祝福しました。 ジンパクはパク・マヤン姫という名前を名乗りました。 いっぽう、サンガル姫は皇帝の畑に連れて行かれ鳥追いとして働かされました。 毎日、姫は竹の棒で鳥を追い払わなければなりませんでした。やってきた鳥を追い払う度 に、 涙がほほをこぼれ落ちました。 やがて、ジンパクはこの国の皇子様と結婚し、畑にいるサンガル姫のことはすっかり忘れられてしまい ました. 結婚をしたジンパクは、ある日のこと広場で馬に乗る練習をしました。 ジンパクが馬の上に座ると、馬は突然いななき、すぐにぴょんぴょんとびはねて どこへ出かけるのにもかごに乗って行きました。 このことがあって、人々はジンパクを疑い始めました。お姫様なら乗馬くらいは出来て当然だからで す。もしかしたら、もう一人の娘が夢に現れたお姫様なのだろうかと思いました。 そこで、人々は畑に行き、鳥追いのサンガル姫の様子ををかげからのぞきました。 いろいろたずねる人もいましたが、サンガル姫は本当のことを何も言いませんでした。 「私はわけあってここへ逃げてきたのです。ここは私が住むのにふさわしい場所なんです。」 とサンガル姫は聞かれるたびにそう答えていました。
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