一方、皇子様も何かおかしいと思い始めていました。幸せも薄れてきていました。

月日がたちましたが、マヤン姫は身ごもりません。

マヤン姫は人間ではなかったので子供が産めないことを知っていました。

それでも子供ができるよう色々試してみました。もし子供ができなかったらうそが皇子様にばれて、

殺されてしまうと思ったのです。

 ある日、畑でのサンガル姫のうわさは皇子様にも聞こえてきました。

皇子様はその話しを確かめようと狩人の姿をして見に行くことにしました。

サンガル姫のいる小屋に着いた時、皇子様はとてもお腹が空いてきて座り込んでしまいました。

空腹のため弱っている狩人を見つけたサンガル姫は小屋で男を休ませてあげました。

「少しだけですが、、、どうぞ、食べてください。」

とサンガル姫は食べ物を差し出して、言いました。

この時皇子様はこの鳥追いの娘を近くでよく見ることが出来ました。娘はとても

美しく、言葉遣いもていねいでした。探しつづけていた姫にちがいないと皇子様は思いました。

皇子様はサンガル姫に何故こんなところにいるのか、事情を話して欲しいと何度も頼みました。

重ねて頼まれて姫はとうとう彼女に起こった不思議な出来事を話しだしました。

 

 次の日の朝、とうとう、ジンパクはつかまって手足を縛られました。

「どこの泡からおまえは生まれたんだ、そのあわの中へ帰るがいい。」

と皇子様は怒って言いました。皇子様は人々にいかだを作るよう命じました。

いかだが仕上がるとジンパクは海に流されました。

 

 それからサンガル姫は宮殿に招かれました。姫には最高級の美しい服が与えられました。

姫の顔はまるで満月の様に輝きました。

しばらくして、サンガル姫はお母様の予言どおり、皇子様と結婚しました。

二人は末永く幸せに暮らしたということです。

 

採録 Sharif Putera

訳 miki

あとがきへ

チェリタラギの部屋へ

9