ドリ王はこの老人の話は本当だろうかと考えました。

もし本当だとしたら、その国への旅は意味がなくなってしまうのです。

そこで王様はみなを集めて会議を開きました。旅を続けようと言う意見もあれば、それに反対する意見もありました。

やむなくドリ王は茶碗に水を張りどうしたらよいかを占う事にしました。

占いの結果は、旅を続けるのが正しいとでたので、また、一行は旅を続ける事になりました。

どんどん歩いて行くと やがてようやくうウビ国の国境にたどり着きました。

しかしウビ国は静まりかえっていて、ひとっこひとり見当たりません。

溝の中にまで草が生え、あたりは一面雑草におおわれ、家々の柱は地面に倒れていました。

老人の言ったことが正しかったと 王はここにきて ようやく 納得しました。

「この国はガルーダに滅ぼされてしまったのだ。」とドリ王は言いました。王の一行が宮殿に入っていきますと

内部は静まり返っていて、何本もの柱が倒れ、宮殿の壁はあちこち崩れかけていました。

せっかくたどり着いたのに、こんな有り様なので王様はじめ皆 気が抜けてしまい、

このあたりでひとまず休む事にしました。

ドリ王が横になると偶然に応接間の横に置かれた大きな太鼓が目につきました。

王は立ってそばに行きその太鼓を小さく3回叩いてみました。するとかすかに助けを求める声が聞こえたような

気がしました。
そこで王は、もう一度、今度は強く叩いてみました。

「叩かないで、中にいます!」と叫び声がしました。

この中に人がいると確信したドリ王は太鼓をの中を調べるように命じました。

すると、はたして中から若い娘が3人出てきたではありませんか。

中でも一人はみたこともないような美人で 王様はこその美しさに大変驚きました。

その美しい娘は、王様の前に進み出て、たずねました。

「なぜ、あなた様はガルーダに滅ぼされた我が国に来られたのですか?」

王は微笑んで、答えました。

「あなたがたを 助けに来たのです。」

 

 

  つづく

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