方ドリ王は、このことにまったく気がつかず大臣や、家来とチェスに没頭していました。

  二人の姫たちは、をもって戦い始めました。二人とも負けていません。戦いはえん えんと果てしなく続きました。

戦いの合間に二人はいっしょにベタル・リフを食べ、食べ終わるとまた戦いを続けました。

 

 

 

とうとう二人の刀は折れてしまいました。二人の争った広場は畑となり、畑は湖となりました。

戦いは宮殿の前で始まり、それから宮殿の後ろへと場所を移動し、とうとう川岸まで来ました。

そしてしまいには、二人は海岸までたどり着いてしまったのです。

 そして戦いは3年目に入りました。ある日、戦いの最中に、巨大な、魚 の王様がやってきました。

魚の王様は大きな口をあんぐりと開けて、なんとこの二人をぱくっと飲み込んでしまったのです。

それを聞いた家来があわててドリ王のもとにやって来てお后が飲み込まれたことを知らせました。

  ドリ王はあまりのことに度肝を抜かれました。そしてすぐに人々に大きな魚を探すように命令しました。

人々は長い間あちこち探したあげく、やっと魚の王を見つけだしました。知らせを聞いてドリ王が駆けつける

魚の王様はぺっと姫たちを吐き出しした。そこでドリ王が見つけたものは哀れな二人の骨だけでした。

これを見るとドリ王は落胆し、胸を打って嘆き悲しみました。    

「いくら後悔しても取り返しがつかないことをした。二人のことに気がつかないで遊んでいて、

 大切な人を失なってしまった。」 と王様は家来に言いました。

その後、王様はモスクに住んで毎日コーランを読み、大変信仰深い人間になったと伝えられています。

 

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  採録:シャリフ・プテラ

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