☆ 3月14日☆ 新快速はこわいっ!!

 それは忘れもしない3月13日木曜日、三宮発13:10の新快速での出来事でした。 あたしはいつも、13:10の新快速に乗るのだけど、大阪で乗りかえる時に御堂筋線を使うので、 一番前の車両に乗るように心がけてます。じゃないと、大阪のホームで一番前の階段から降りるために、どれだけの人と柱にぶつかることか!! なので、いつもは13:00ぐらいにはホームに上がり、ホームのはじっこにある点字ブロックの上をダカダカと一番前の車両に乗りこめる場所まで歩いて行くのです。 三宮でさえ、点字ブロックの上には並んでる人の荷物や、知らん顔してどいてくれない人や・・歩くのが楽ではありません。けれど、 大阪のホームは、もっと雑多なイメージがあり、それなら、三宮から一番前に乗った方がマシなのです。
 さて、昨日はバスが来るのが遅れ、ホームに辿り着いたのは、電車が入ってくる数分前でした。 点字ブロックを使おうと思っても人が多くてブロックまで辿り着かないし、突き飛ばされたら怖いかも?と、 この日はホームの点字ブロックのない中心部を前へと進んで行きました。点字ブロックごしではないので、いろんな障害物をよけながら、 進むと少しは時間はかかります。電車が入ってきたので、あたしは仕方がなしに、前から2、3両目ぐらいの車両に乗りこみました。 しょうがない、駅に着くたびにホームの上を移動して前の車両へ乗り換えよう・・そう思ったあたしは、 席が空いてるのを教えてくれた人に「次の駅で前の車両に行くからいいですよ」とお礼を言って、 次の駅に到着するのを待ちうけました。
 そして、芦屋に到着。あたしは急いでホームに下り、車両と平行に、前の車両へ進みました。乗るのを促す笛の音がしたので、 急いで杖と手探りでドアを探し当て、白杖とともに入ろうとした瞬間、扉は閉まり、見事に白杖の先だけが挟まれてしまいましたっ。
「しまったっ!?」と、あたしはすぐさま、杖を抜こうと引っ張りましたが、これがどうして、なかなか 頑丈なドア。しっかりピッタリしまってて、あたしの力では杖を救出することができません。そうこうしてるうちに、 無情にも新快速は動き出します。
「うそっ!マジっ!?」普通、発車するまで駅員さんとか、車掌さんとか、 安全確認してるものじゃないのおー??なーんてこと考えてる暇もありません。ここで杖を持っていかれると、 あたし一歩も歩けなくなるじゃん?だけど、このまま白杖を離さなければ、電車にひきずられて、明日の 新聞ネタになるじゃない?・・そんなことを一瞬にして考えたかどうかも覚えていません。とにかく、 杖から手を離さなければ!!でも、運悪くあたしの手に杖のひもがひっかかっててすぐにはとれなかったのでしょう。 最終的にはひもがぶちきれる形であたしの手から白杖は離れ、あたしはホームに尻もちをついたまま新快速とともに去って行く杖を見送る形になりました。
 と、その時、新快速が停車しました。あたしは杖を救出したい一心で立ちあがり、電車の車体をてさぐりで杖を探しました。 あたしの杖は一番前の車両の一番前のドアに刺さったような状態でありました。あたしは一生懸命、 引き抜こうとしましたが、びくともしません。きっと気がついていないと思い、側の運転席のドアを外から ドンドン叩きましたが反応がありません。途方にくれて、杖の側にたたずんでると、随分立ってから(あたしにはそう思えた) ドアがやっと開き、あたしは急いで杖を自分の方へ引き寄せました。
「乗りますか?」と、乗務員らしい人の問いに、 なんか変な感じ・・何かが変? そう思ったけど、相変わらず止まったままの電車に仕方がなく乗りこみました。「お怪我は?」と一応聞かれたけど、 とりあえず、あたしが悪い・・そういう後ろめたい気分で「大丈夫です」と答えました。
 側に座ってたおじさんが「ここ座り座り」と立ちあがって席をゆずってくれます。あたしは、ホント 穴があったら入りたいぐらい恥ずかしくて、小さくなってました。車内は結構お客さんが多くて、 「こわいなあー」「大丈夫かしら?」とか・・口々に噂話をしてます。おまけに運転席からは、 「只今、目の不自由な人の杖を扉にはさみ・・」とか、くそ丁寧に本部に繰り返し報告する声が 聞こえてます。「ごめんなさいっ、あたしがとっても悪かったですっ。勘弁してくださいっ!!」 そんなことを心の中で叫んでいるあたしは、恥ずかしくて顔も上げられません。そんなあたしに隣に 座ってるおじさんが「気がついて急いでドアを開ける非常ボタンを押したんやけどなあー」と話してくれます。 え?だって、いつまでたってもドアは開けてもらえなかったのに?お客さんが開けようとしてくれてたのに 開かなかなかったの?・・あたしの心の中で「自分が悪い」という気持ち以外に疑問点がいくつか浮かび上がってきました。
「ただいま芦屋でお客様の杖をはさんだので5分遅れて発車しました。」という車内アナウンスに、 「ほんますんませんっ」と心の中であたしは叫びながら、やっと自分の手に戻ってきた白杖を抱きしめていました。
 思えば、このグラスファイバーの直杖はいろんな場面であたしを助けてくれてたんだ。 ぶつかってくる人の盾になってくれることは日常茶飯事だし、エレベータの穴に落ちて4階から1階まで落下したこともあるし、 あと、突っ込んできた自転車の後輪に巻きこまれてもってかれたことも何度もありました。今回は自分の紐を引き千切ってまでしてあたしを助けてくれたような、そんな気がした。 キズだらけになりながらも、あたしを守ってくれてる杖なのに、また危険な目にあわせてしまった・・それが申し訳なくて。 そして、いかにこの白杖がかけがえのない大切な相棒か、ということも痛感して泣きそうになりました。
 車内アナウンスは尼崎駅では「芦屋でモノをはさむ事故があったので5分おくれて・・・」と説明している。 あー、今度は「モノ」にされちゃったよー。まっ、いちいち大々的に言われるのも嫌だけどねぇー。
 大阪駅に到着して、あたしはホームへ降り立ち深いため息をつき、進み始めようとしたら、あたしの 両側から別々の女の人が声をかけてくれた。同時に答えたつもりだけど、片方の人は去っていった。 「改札までいきましょう」そう言ってくれた女の人と歩き出した。「危なかったわねえー。」 「いえ、あたしが悪いんだと思うので・・」と言うと、「でもね、お客さんたちが気が付いて、 運転席をドンドン叩いたのに全然気がつかなかったのよー」とその人が教えてくれた。・・やっぱり何か変。
 その人に地下鉄の改札まで送ってもらい、そのあと、杖を使って歩くと、いつもはしない、変な音が する。ああー、頑丈な紐もちぎれてしまって、杖じたいももしかして壊れてしまったかも?ごめん・・・ また少し悲しい気持ちになりながらも、あたしはずっとずっと考え込んでた。この頃、いろんな電車に 乗ることが多くなってきたけど、神戸市営地下鉄も大阪の地下鉄・御堂筋線も、近鉄電車も、一番前の車両に 乗ろうとすると運転手さんが自然に気がついてくれてたりする。別に無謀な乗り方をしようとしてるわけでもなくても、 ちゃんと気にしててくれる。だから、今回のように、運転席を叩いても、窓から顔も出してくれない 運転者さんがいるなんて・・なんか怖いな・・って。すぐに助けてほしいと思ってるのに、 マニュアルどうりにしか動いて暮れない機械仕掛けの・・そんなイメージがあった乗務員さんにやっぱり、何か違うな・・って。
 別にJRにケンカを売ろうという気なんて全然ないけどさ。窓口に座っている駅員さんで親切な人もいるし、 普通電車は注意深くドアを閉めているよ、と弟が言ってたし・・全てがおかしい、とは言わないけどね。 でも・・・新快速はとっても怖いんだよー。だって、「降りる人が終わってからお乗りください」と アナウンスで言ってるくせに、降りる人が終わってなくて、まだ沢山の人が乗り込もうとしてるのに、 ピピーッと笛を吹くのは新快速の時が多いもの。あと、挟まれないしても、乗りこんだ瞬間背後でドアが ビシッて閉まる。タイミング悪かったらはさまれてるかも?とひやっとすること結構あるよ。 だけど、それは飛びこみで乗ったときではなく、ちゃんと並んで人について乗ってるときのことだから。 ・・・たしかに乗る人のマナーも目に余るぐらい悪いことはあるけどねー、でも、なーんか違う。  今回のアクシデントをHPに載せようか少し迷いました。別にJRだけを非難するつもりはさらさらないし、 あたしにも落ち度があったから、反省もいっぱいだしね。だけどね、一日、頭を冷やして冷静に 考えても・・やっぱり、これは、書いておかなければならないかも?そう思いました。 このことを大々的にして大騒ぎするつもりではなく、この文章を読んでくれた人達へ。 「新快速は怖いから気をつけてね」という気持ちを込めて。発車前の安全確認の笛の音は信用してちゃだめですよー! 案外、見てないんだからっ。きっと今に大きな事故は起こるでしょう。これからも何の改善もされない場合はね・・。 だから、みなさん、お気を付けを☆

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