★ 出国からオースティンまで ★
☆ 出国まで ☆

2001年 3月 8日 (木) 

 春めいた日々が続いた久々の寒い日でした。関西空港へ向かうバスの中、一瞬チラホラと 雪が舞っていたのを覚えています。

 これからのあたしの為にも友達に会いにアメリカへ一人で行こう!!最終的にそう決心したのは 2月にはいってからだったでしょうか。出発の日が近づくと会いに行く友達とのメールも 「もうすぐ会えるねっ」とお互いにワクワクしているものになりました。それでも自分では 「本当に会いに行くのかな?」とあまり実感が湧かなかったものです。

 関空発18時何分かの飛行機でしたっけ?2時間前に空港で手続きを済ますために家を出たのは 2時すぎだったような気がします。家から駅までの10分ぐらいの道のり。大きなトランクと 持ちこみ荷物と・・駅まで送ってくれた弟は「こんな重い荷物・・」と怒りながら運ぶし、あたしは 少しブルーになってきました。英語も離せないしスーツケースは重いだろうし、相手の姿を見ることも できないかもしれないあたしが今から一人でアメリカまで友達に会いに行く・・・無事にたどり着けるだろうか・・。 正直いって家の最寄の駅につくまでに、不安でいっぱいになっていました。

 駅の改札口で弟と別れ、一人でスーツケースを引きずりながらプラットホームへと向かい、 一番後ろの車両に並びました。内心、少し泣きそうな気分・・。 でも、電車が来てそばの男の人が声をかけてくれました。「荷物乗せるせましょうか?」 その人は車両にスーツケースを運んでくれて補助席を進めてくれました。遠慮している風なその人に 「空いてるからどうぞ。」と隣の席をすすめ並んで座りました。その人はハワイに行っていて2日前ぐらいに 帰国したという話をしてくれました。その人が三宮で降りるときいて「もしお時間があったら、 空港バスの切符買うの手伝ってもらえますか?いつも機械の案内の音でだいたい場所は分かるのですが 買い方がわからないから」とお願いしたら、快く引き受けてくれました。そして三宮では電車を 降りてから、その人がスーツケースを運んでくれました。「すみません、重いでしょ?」 「はい、少し・・・」悪いなぁー、と思いながらも甘えてしまいました。その人は切符を買うのを 手伝ってくれ空港バスの乗り場まで連れて行ってくれました。その人のおかげでブルーだった気持ちが 少し軽くなりました。

 三宮でバスに乗ろうとした時、女の人が声をかけてくれましたが、バス停のおじさんがけっこう親切で その人は安心してあたしよりも先にバスに乗りこみました。ああ、今なんとなく思い出しました。 3時15分発の空港バスだったように思います。1時間少しのバスの中、「いよいよ会いに行くんだ。 いろいろ不安だけど、大好きな友達に会いに行くんだもん。乗り越えられる」そう思いました。 あと5分か10分で関空だというところで小雪が舞っていたらしいです。バスの中も少し寒かったことを 覚えています。お天気はとても良かったはずなのですが。

 初めて行く関西空港。バスを降りてどちらに進めば良いかをバスの運転手さんに聞いたりしていたら、 女の人が「一緒に行きましょうか?」と声をかけてくれました。多分、バスに乗るときに声を かけてくれた人なんだと思います。その人もスーツケースを引きずっていたのにあたしのスーツケースまで 持ってくれました。「いいですよ、スーツケース2つだと大変だし、自分の荷物は自分で管理しなきゃ」と 言ったのですが「大丈夫よ」と平気な顔でスーツケースを運んでくれてしまいます。 「ごめん、重いでしょ?」と尋ねると「全然っ。私のよりも軽いわよ」とか言って運んでくれてしまう お姉さんは結構、きれいな女の人。その人が力持ちだったのか、その前の男の人がかよわかったのか?  その女の人はハワイへ行くらしく、フライトはあたしよりも5分ぐらい早いぐらいでした。 旅なれてるらしい その人は、まず、搭乗券を受け取るカウンターに連れて行ってくれました。 その人のおかげで不安だった手続きも難なく終わり、次にはアメリカン航空のカウンターまで向かいました。 「ああ、フライトまでこの人といられたら良いなぁー、ナンパしとかなきゃね」そんなことを考えて いたのに、その女の人はアメリカン航空のカウンターまで来てくれて、「じゃあ、気をつけて行ってきてね」 と あっさり去ってしまいました。うーん、先にナンパしておくべきだったなぁー。なんて思いながら 手続きをすると、あたしが白杖もってるのを見て従業員さんたちは少しびびってる感じ。 そう、飛行機のチケットを取ろうと旅行社に行った時だって、「もしかしたら搭乗拒否されるかもしれない」と 言われ、世間の(日本の)視覚障害に対する対応って・・と思ってしまったものです。 目が悪いだけなのに、何で診断書とかがいるのだろう・・・書類社会の日本にうんざり。 少しびびられつつも、手続きは終わり、「どうします?搭乗口に行ってますか?」とか尋ねられ、 「まだ2時間ありますよね?あたし関空はじめてで、噂ではすっごい広いとか言うので見てみたいんですよぉ。」 「誰か係りを付けた方が良いですか?」の問いに、まったく知らない場所の一人歩きは意味ないので 「すみません、お願いします」と甘えました。

 しばらく一人でベンチで待ってると、航空会社の女の子がやってきました。 「どうしますか?買い物とか何か見たいものとかありますか?」という問いにいつものように 「ここに何があるかとか知りたいんですよ。大きいとかいう噂だし、話のタネに関空みとかなきゃ」と。 いつもなら、「え・・」と困惑されるのですが、その女の子は違いました。 「そうですねぇー、いろいろ裏話とかできるかはわかりませんが」と 答えた言葉に、「この子面白い!!」と思いました。「じゃあ、端から歩いてみましょうか?」と言って歩き出しました。 「ここは南の一番端なんです。そしてお客様が手続きされたのがGというカウンターで端はHなので 端から2版目でしたね。」そして確か来たに向かって4階のフロアーを歩いていきました。 真中あたりにバスから降りて入って来た玄関入り口があり、それから北へ向かってのカウンターの方が 割と人が多いように思えました。アジアへ向かう飛行機のカウンターだとか言ってたような気がします。 そして下の階に降りるとお店群がありました。お土産やさんや旅行グッズを売ってるお店とか。 「ねえ、何でスーツケース売ってるの?空港に来るまでに荷造りしてくるのに?」「何でスーツケースの レンタルが空港にあるの?」など、何だかあたしには不思議に思えることがありました。 「きっとお土産とか持っていくものが空港で増えてしまう人の為じゃないかな?」と女の子は答えて くれます。「え、空港で買う人なんている?」「うん、味噌汁とかやらいろいろ」「値段高くない?」 「うん、高いよ。空港くると太っ腹になるのかな?沢山かってく人いるよ」  「こないだまで阪神タイガースのお店があったんだけどね、撤退したの」と言う女のこの言葉に 「えぇー、だって関空に来るお客サンでタイガースグッズ買う人いるかなぁ?」というと「そういえば そうだね」と女の子も笑ってくれた。なかなか感じいい子、絶対にナンパしとかなきゃ☆ 「ご飯食べたりするところとかもある?」「うん、でもね、関空はマクドナルドでも2割高いんだよ」 「え、関空に来てまでマクド食べる人いる?」「うん、外国の人とかね。安心できるのかな?」 もうすっかりお友達気分で歩いてた。「あまり知られてないんだけど、この奥にコンビニがあるんだよ。 お客サンは従業員用だと思いそうな感じだけど、別に普通に買っていいの。この関空で一番売上の 良いのがそのコンビニで次が丸善さんかな?」と言う情報は十分、裏話ですね。

 ある程度、見て歩いてもまだ搭乗時間までは間があったけど、「とりあえず、搭乗口に 行ってみようか」と移動。関空から、2両か3両ぐらいの短い電車みたいなのに乗った。 椅子は補助席みたいに出さないとなくて車両内はガランとしてた。 さっきの雪はやんでたけど、車内は冷え冷えとしてて、ベストの制服姿の女の子にはとても寒い。  思わずカバンに入れてた貼るカイロを取り出した。「ええ、いいの?」「うん、ダラスで乗り換えの時、 寒かったらとか思って何枚か持ってるから大丈夫だよ」と渡した。でもそこで貼るわけには行かなかったんだけどね。

 搭乗口に着いても、まだまだ時間があったので、待望の「ナンパ」 「ねぇ、良かったら友達になろうよ」と住所交換。それでも時間があるので、いつものように 「あのね、友達がバンドやってて」とその時はさすがにアルマの資料を持ってなかったので、 持ってたウォークマンのアルマの曲を聞かせてあげた。「いい声だねぇー」とその子は気に入って くれました。アルマのみんなぁー、あたし出国前にもうナンパしちゃったよぉー。そして、 その子はアルマの曲を気に入ってくれたんだ。ムフッ☆

 搭乗時間が来て、その女の子に連れられて飛行機に乗りこんだ。入り口を入ったとたん、 外国人のスチュワーデスさんに「Are You Speake English?」と 尋ねられ「No.I Can’t」と答えると困った顔をしたみたい。  席まで連れて行ってもらうと、外国人のスチュワーデスさんがあたしの手を取ってすぐに トイレの場所を教えてくれました。自分の席から「One.Two.Tree・・・」と席を 数えてくれて5番目にトイレの場所に辿り着く・・・女の子は「そうかぁ、そーやって教えるんだ」と 感心してましたが、あたしも感心しました。「わかりやすいっ!!」 「じゃあ、気をつけて行ってきてね」「うん、もし、あたしが帰ってくる日ヒマだったら」 「うん、24日の16時ごろね、ヒマだったら、1階の入国口あたりをウロウロしとくね」 「日本に帰ったら遊ぼうね☆」「うん、またね」手を振って彼女を見送りました。 まだ「遊ぼうね」は実現していませんが、25日に「お帰りなさい」メールをくれた彼女でした。 また絶対に会いたい人のうちの一人です。

 さてさて、まだまだ旅は始ったばかり。いっきにお話するには長くなってしまいすぎるようですね。 この続きは次のページで・・・☆

           ( 2001年11月1日著 )

 ☆ ダラス到着まで ☆