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白馬 乗鞍岳2456m)

長野 2011.10.24
単独 マイカー   二等三角点
××× 栂池自然園(8.35)−−−天狗原(9.40)−−−乗鞍岳(10.30-10.40)−−−天狗原(11.15)−−−栂池自然園(11.55)

小谷村栂池で行われた所属美術会の写生会に参加。ところが2日目は予定が組まれておらず、丸々空いてしまった。時間があったら栂池高原あたりのスケッチ散歩でもと考えていたが、丸々一日ならほかに使いようがある。

栂池のゴンドラリフトに乗り、栂池自然園から白馬乗鞍岳へ登ってくることにした。13年ぶりの乗鞍岳である。乗鞍岳というと普通は岐阜・長野県境の乗鞍岳を思い浮かべるが、日本山名辞典には同名の山が5座ある。前記の乗鞍岳(3026m)、そしてこの日三回目の登頂となった俗に白馬乗鞍岳と呼ばれる山(2456m)、青森県南八甲田にある乗鞍岳(1450m)、この三つは登ったが、残り福井県の乗鞍岳(866m)と奈良県の乗鞍岳(993m)は未登。

朝一番のゴンドラで栂池自然園へ。山麓は今が紅葉の見ごろ、標高が上がるとすでに最盛期は過ぎている。
自然園でゴンドラ下車、山へ向かう人は3、4人だけ。天候は曇り、でも山頂は晴れということも稀にはある。

天狗原

銀嶺水の表示を過ぎ、天狗原までが1時間5分、結構スローペースだ。それでも汗をかいている。雲の上に出た感じで見通しがよくなってきた。頭上には青空ものぞいている。

カメラを持ってきたつもりがケースの中はからっぽ。残念・・・そうだ、ケータイがある。いまだかつて使ったことのないケータイのカメラで何とか撮ることができた。でもデジカメのような写りは期待できないだろう。

この先、灌木を抜けると残雪が遅くまである場所、10月ともなるとさすがに雪はひとかけらもない。累々と積み重なった露岩帯の急登が始まる。最近山で転倒したりしているので、用心の上にも用心。露岩の頭を飛び伝いに登っていく。昔のようにぴょんぴょんと飛び跳ねるような軽快さはもう無理。青空はさらに広がり、すでに晴天と呼べるほどなにっていた。

後を振り返り見下ろせば。天狗原の池塘がガラス片のように輝いている。

露岩帯の急登を登りきると、そこはもう乗鞍岳山頂の一角、あとは全面ハイマツで覆われた平坦な台地を行けば、すぐにノッポのケルンが

乗鞍岳山頂  小蓮華と白馬が見える

立つ山頂である。今回は三角点へは足を延ばさずにパス。そのまま白馬大池の見下ろせるところまで行ってみた。紺碧の空を吸い込んだ深い藍色の水面、赤屋根の山荘、目の前に聳える小蓮華、その先には鉢ケ岳と雪倉岳。絵になる風景だ。

ケルンまで戻って展望を目に焼き付ける。

小蓮華の左には白馬岳の半身像、さらに杓子、白馬鑓、そて距離はあるが藍色のシルエットは唐松岳から五竜、鹿島へとつづく後立山の連嶺。南西方面は霞がかかって判然としないが、頚城から高妻、戸隠などの山々であろう。

まずまずの展望に満足して下山にかかった。

天狗原からさらに高度を下げて行くと、そこは再び霧の中、山頂での好天は実にラッキーだった。


 
長野 1998.07.23
妻同行 マイカー   二等三角点
××× 栂池自然園(10.00)−−−天狗原−−−乗鞍岳−−−白馬大池(12.35-13.15)−−−乗鞍岳−−−天狗原−−−栂池自然園(15.30)

乗鞍岳から白馬大池を見る

以前、白馬乗鞍岳経由白馬岳方面への主要登山口の一つ、栂池自然園へのアプローチは、曲がりくねった道を、バスであえぎあえぎ上がって行った。何年か前にゴンドラが取って代わり、20数分で自然園まで連れて行ってくれる。

マイカーでゴンドラ駅まで行く。観光シーズン開始というのに、意外なほど客はまばらだ。待つほどのこともなく乗車、二つのゴンドラを乗り継ぎ、栂池自然園に到着。 

標高差約l000メートル、ひんやりとした空気が肌を刺激する。ここはすでに海抜2000メートル近い高所だ。同乗の人々は、大半自然園への散策に向かい、白馬大池方面への登山者はごくわずか。

整備された針葉樹林の登山道を歩きはじめる。

ハイキングは久しぶりの妻の足を見ながら、ゆっくりと登って行く。最初はそれほどの急登はなく、手ごろな勾配だ。

天狗原までは針葉樹林の道、期待の高山植物はほとんど見当たらない。足元を見つめて黙々と登って行く。

少し勾配のきつくなった登りを頑張ると、その先はふたたび勾配が緩んでくる。ほどなく最初のポイントの天狗原に到着、小休止。ここは蓮華温泉からのコース合流点でもある。

平坦な草原で巨岩がいくつか点在、その岩陰にはアオノツガザクラやチングルマの花が見える。

一息入れて出発。

天狗原からはいよいよ乗鞍岳への登りにかかる。今までの針葉樹林のほどよい登りとはがらりと様相が変わる。岩の露出した急登がつづく。

妻のペースが急に落ちてくる。岩角につかまったりしながら一歩一歩上ってゆく。やがて巨岩の累積した地帯に出る。岩の頭を飛び移るようにして登ってゆくと、残雪の斜面に出た。

今年は雪が少なかったせいか、以前来た時より雪が少ないように感じる。

気にするほどの雪渓ではないが、登山者たちはへっぴり腰でこわごわと登っている。

雪というだけで足が萎縮してしまうのだろう。

露岩帯の急登も残りわずか、最後の急登では妻の足に疲労の様子が見て取れる。

登りきったところは、岩石が点々と転がり、ハイマツ一色のだだっ広い乗鞍岳山頂の一角だった。累々たる岩石の先に、ノッポなケルンと、その周辺に群れる登山者の姿が見える。

三角点はケルン手前、コースから少し外れた奥の方にある。せっかくだったので三角点まで行ってみた。

ここまで登ると小蓮華岳から白馬岳が見通せるはずだが、あいにく雲がかかってその姿は確認できない。

妻の足加減では眼下の白馬大池まで行くのは無理かと思ったが、何とか頑張ってみるという。

真っ青な水をたたえた大池が、小さくさざなみを立てている。池畔にたつ真っ赤な屋根の山荘、それほど違和感もなく、周囲の景観に溶け込んで絵画的な風景を作り出していた。

露岩の道を足元に気を配りながら、標高差100メートルほど、見た目以上の長さを感じながら下って行く。山荘の周辺は登山者の姿が多く、落着かないので少し離れた場所に陣取って休憩にした。

山荘から小蓮華への登山道へ入ったあたりは、前回ハクサンゴザクラの大群落に圧倒され、今でもその記憶が鮮明に残っている。その期待を胸に描いて来たのだが、今年は時期が少しずれているのか、思ったような大群落にはなっていなかった。それでも広い草原の中にハクサンコザクラがいくつも島のように群落を作り、またアオノツガザクラがそこここに群落を見せていた。

昼食休憩の後、同じ道を下山にかかった。

疲労気味の妻の足を見ながら、何回か休憩を入れながらロープウェイ駅ヘ着いたとたん雨が降ってきた。

混雑時には1時間も2時間も待つというゴンドラも、わずかの待ち時間で乗車、ゴンドラの窓をたたきつけるような驟雨となった。あと1時間下山が遅かったら、大雨の中を歩くことになっただろう。

温泉に入り、昨日と同じホテルに宿泊した。

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