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伊那前岳(2883m) 宝剣岳(2932m) 三の沢岳(2847m)
長野県 | 2012.08.08 | 単独 | マイカー | 伊那前岳 三等三角点 三の沢岳 三等三角点 |
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千畳敷ロープウエイ駅(6.50)---馬の背(7.25)---伊那前岳先端ピーク(7.40-7.45)---馬の背(8.05)---宝剣岳(8.25)---三の沢岳への分岐(8.45)---三の沢岳(10.10-10.40)---分岐(12.00-12.10)---千畳敷ロープウエイ駅(12.40) | ||||||||||||||||||||||||
木曽山脈(中央アルプス)の山行記録はコチラにもあります | ||||||||||||||||||||||||
一週間前の北アルプス立山・剣岳のあと、今回は中央アルプス宝剣岳・三の沢岳へ出かけた。 毎日が日曜日というご身分、もちろん天気予報を十分に確かめ、登山日和という太鼓判でのお出かけ。 真夜中の3時過ぎに自宅を出る。駒ヶ根市菅の台着5時10分、ロープウエイしらび平駅行きのバスは6時発で余裕十分。 早起きは三文の得。始発のロープウエイも時間待ちゼロで標高2612mの千畳敷駅着6時45分。ひんやりとした大気が気持ちいい。カールを見ると底にわずかの残雪があるだけ。洗われたような緑が広がり、花が短い夏を謳歌するように咲き競っている。そして頭上には紺碧の深い空。気分爽快。 千畳敷カールから馬の背への登りに取り付く。左手に岩峰宝剣岳を見上げ、左右の斜面に咲くシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲなどの花々は朝陽をあびて輝くような生気を見せている。 35分で馬の背に。ここで気が変わって伊那前岳ピークをピストンすることにした。18年前のクリスマスイブ、アイゼン、ピッケルの冬山装備で伊那前岳へ登ったことがあった。富士山の山頂から太陽が昇ったあの感動が思い起こされる。
三角点のある伊那前岳を通り過ぎ、尾根先端のピークまで足を伸ばす。馬の背から20分ほどだ。なだらかな稜線からは、正面に八ケ岳連峰と南アの甲斐駒・仙丈・北岳、間ノ岳、農鳥・塩見・荒川・・・3000メートル峰の藍色のシルエットとが紺碧の空を画している。ほれぼれする眺めだ。 馬の背へ戻って宝剣岳へ。鎖の連続する険しい登り、祖父母に連れられた小学低学年の兄妹ががんばっている。以前はどうということもない鎖場だった気がするが、年を食うと感じ方も違ってきてかなり険しい。小さな兄妹の後について登っていく。登山者が多いと渋滞で時間のかかるところだが、スムーズに岩峰最高部のピークに達した。
木曽駒、御嶽、空木・南駒へと延びる中央アルプスの山並み、そして東方の長大なシルエットは南アルプスの連嶺と富士山。 ひとわたり展望を確認してから極楽平方面へ下る。ここは登るより下る方が厳しい。気が抜けない。鎖と手がかり足掛かりで確保しながら慎重に下りきった先が三の沢岳への分岐、花崗岩の巨石が点在する緑濃い尾根に、山頂へのルートが延びている。 大きく下ってから上り返すコースは、ガイド本で往復3時間20分。山容は均整の取れた美しい三角形で、高山植物がとりわけ豊富だった記憶が残っている。 三の沢岳への登路から眺める空木・南駒ケ岳方面への展望は未開の山地を眺めているような新鮮さがある。チングルマ、ヨツバシオガマ、ミヤマキンポウゲ、ウサギギクなどの高山植物や山岳展望を楽しみながらも、いくつもの少突起を越えなくてはならない。 15年前の晩夏に訪れたときには、登山者の影もほとんどなかった。その後花の豊かさが紹介されたりしてからめっきり訪れる人が多くなったらしい。当時に比べて花は少なくなった気もするが、この日も単独、グループなどの登山者の姿がかなり多かった。 アップダウンのコースは、見た目以上に脚に応える。三等三角点のある三の沢岳山頂到着は、分岐から1時間25分だった。土が流れて三角点標石は浮き上がってしまい、今にも倒れそうな姿をしている。巨大な花崗岩が累畳と積み重なる山頂で20分の大休止。山岳展望を満喫する。
天気は安定していて雲ひとつない。しかしこの時刻になると多少大気の澄明度が落ちて来るのは致し方ない。御嶽、乗鞍、そして遥かに北アの槍ケ岳方面も確認できる。ここから眺める中央アルプス北部の山稜は得難いものがある。 展望に堪能して同じ道を分岐へと引き返す。次々と三の沢岳へ向かうグループと行き違う。往路とほぼ同じ時間で分岐へ戻った。 一服して展望の見納めをしてから極楽平経由で千畳敷駅へと向かう。砂礫地の稜線には木曽駒周辺の固有種“コマウスユキソウ”も見られた。 |
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1997.09.02 三の沢岳―宝剣岳―木曽駒ケ岳 はこちら |