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 松尾城址(1034m)増尾山(1440m)和熊山(1644m) 

長野県 2013.08.29 単独 マイカー 松尾城址 4等三角点
和熊山  3等三角点
コース 日向畑遺跡(5.30)---松尾城址(6.00-6.05)---送電鉄塔(6.30)---増尾山(7.05)---1610mピーク(7.40-7.45)---和熊山(8.15-8.25)---増尾山(9.15-9.20)---送電鉄塔(9.50)---松尾城址(10.05-10.10)---日向畑遺跡(10.45)

登ったのは角間渓谷の2座。国地院地形図を見ても山名の記載はない。増尾山は観測点記号のみ、和熊山も同様に三角点記号だけで山名はない。ちなみに和熊山の三角点名は『角間』となっている。 

参考にしたサイト『信州山岳ガイド』

上記サイトを閲覧していてこの山を知った。登山口まで1時間もかからずに行ける。一昨日、新穂高温泉から登る予定の中崎山、登山道未整備で登るのは無理だと地元の人に諭され、後ろ髪を引かれる思いで帰ってきた。1座損をした気分、その損を取り返すべく地元の山を探していてこの2座を知った。地元周辺には未登の山はほとんどないと思っていたが、探せばまだまだありそうだ。

登ってみれば意外にも登り甲斐のある山、地図上無名なのが惜しい。山名は上記サイトの記述に倣って記録させてもらう。

 

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      コナラ樹林の和熊山山頂 尾根道はコナラのトンネル

上田菅平ICからRⅠ44号を北上、横沢の信号を右折、すぐに角間渓谷への道へ左折すると“日向畑遺跡”と“松尾城址登山口”の表示がある。駐車はその少し手前に道幅の広がったところに止められる。

標識からわずか上がったところに遺跡があり、その遺跡の左手に松尾城址へと延びる登山道がある。赤松林の中、岩の露出した道はかなりの勾配があるが、整備され

四等三角点のある松尾城址

ていて歩きいい。30分ほどで松尾城址。ここは上田市に合併する前は『真田村』、戦国の武将真田家の郷である。遺構などは残っていないが、小さな砦のようなものがあったのだろうか。一角には四等三角点がある。 

城址からはやや急登がつづくが、しばらくすると勾配が緩んで歩きいい。上空は晴天、コナラなどの落葉樹が多く、木漏れ日がキラキラときらめき、緑の透過光線が降りそそぐ。展望はないが、こうした山道が好きだ。身も心も洗われる。
送電鉄塔で立ち止まり展望を探してみる。東方に烏帽子岳、湯ノ丸山と思われる山影を確認したのみ、西方はるか彼方に淡く漂うような連嶺はたぶん北アルプスだろう。

鉄塔からは右手岩石のあるところが登山道、草に隠れてわかりにくいが、その先は明瞭になる。

落ち葉などで道が隠れて、次第にわかりにくくなってきた。登山者もまれにしかいないのだろう。
ルートは一貫して尾根上につけられているので、尾根さえ外さなければ大丈夫。尾根の狭いところは心配ないが、広くなってくると下山時に注意を要しそうだ。ときどき立ち止まってき後ろを振り返り、記憶にとどめる作業を何回も繰り返す。
獣の踏跡か登山道か、落ち葉が一面積もった斜面を、歩きやすいところを選んで登って行く。ときどき古い赤テープが見つかる。
観測点ピーク1440mの増尾山に登り着く。これで高低差600mをかせいだ。地形図には山名が示されていない。山頂を示す私製プレートひとつ見当たらない。ちょっと淋しい。

高低差50メートルほど下ってから次の観測点1610mピークへ向かう。登山者の歩いた形跡もほとんどない。落ち葉に埋まった斜面は道形不明瞭なるも、邪魔する藪がないのでどこでも歩くことができる。尾根筋を外さないように、そして帰りに戸惑いそうなところは何がしかの目印や記憶を残すことを忘れない。目印用の赤布を携帯したのは正解だったようだ。

露岩の尾根道

あいかわらずコナラの樹が多い。裏山を歩いているような雰囲気だ。大きな黒い糞のかたまりをときどき目にするがクマだろうか。コナラのどんぐりが実る頃にはクマにとっての大ご馳走のシーズン、もう間もなくだ。
けっこう急な勾配を登って来たはずだが、案外あっさりと1610m観測点に登り着く。ここで90度右に進行方向を変えるが、帰りに迷わないように目印の赤布をしっかりとつける。 

和熊山はもう近い。数十メートルほど下り、100mほど登り返せばいい。
林床は小笹が敷き詰めていて道型は不明瞭。尾根を外さないように注意してコルまで下る。コルからの登り返しも踏跡不明確。境界標の白杭や石杭が2、3個目につく。山頂に近づくにしたがい、赤布を頻繁につけていく。山頂からの下り始めに戸惑うことが多いのは経験済み、一つ間違えたらとんでもない方へ向かってしまう。赤布から次の赤布が必ず確認できる間隔で枝先などに結びつける。

無事和熊山山頂に立った。ここにもピークを示す標柱などの人工物は無い。小広い空間に三等三角点の標石だけが、頭のてっぺんだけ地表に出ていた。周りを少し掘り、笹や草を取り除き、カメラに収める。
コナラに囲まれた静かな空間は別世界にいるようだ。落葉樹林に遮られて展望は皆無ながら、この静けさは癒しの空間そのもの。ほとんど登山者の訪れない寂峰、そこに立てただけで満足感が広がった。
三角点から少し先まで様子を見に行ったが、展望の効くところはなかった。

和熊山三等三角点

しばらく休憩してから下山にかかる。残してきた赤布が間違いなく案内してくれたが、もしそれがなかったらそうとう苦労したかもしれない。セオリー通り、赤布は一つ残らず撤収しながら下った。
久々に味わった寂峰の楽しさだった。
登りの高低差は800m、アップダウンを加えると累計900m弱となり、“登った”という実感も味わえた山だった。ちょっと手を入れたら、魅力的なハイキングコースになることだろう。


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山友Мさかからメールが届きました。
『この山は2年前(2011.11.21)に一緒に登った山ですよ』という内容。そのときの様子が書いてりあ、何とか思い出せました。
“九竜山、ゴトメキ山”と言う名前で登り、記録していたために、まったく気がつきませんでした。
それにしても2年前に登ったばかりというのに、歩いていて気がつかないとは最低、耄碌をまたまた認識するできごとでした。

 
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