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猫岩(1008m)・唐松山(1079m)

新潟県

2015.10.16

単独  唐松山 二等三角点
コース

小川林道終点登山口(5.35)---アルミ杭(6.15)---ロープ(6.35)---倒木(6.55)---ぶな美林(7.10)---猫岩(7.30)---唐松山(7.45-8.00)---倒木(8.32)---ブナ大木と岩(8.50)---休憩(9.00-9.05)---下山(9.40)

 

前夜は「道の駅 いりひろせ」で車内泊。

猫岩山頂 唐松山山頂

昨日下見済みの唐松山登山口へ。252号線越後須原駅付近から東方に向かって橋を渡り、黒又川第一発電所の道をそのまま松川川に沿って進む。全舗装の林道を終点まで数キロ?行き止まりにはなぜか橋があって、その手前が登山口。草に埋もれそうな小さな道標が立っている。

明るくなるのを待って出発。登山口付近は道が見えないほど草が茂り、先が案じられたがすぐに明瞭な踏跡となる。山頂までの高低差は約750m。登山道の整備さえ良かったら楽々登山・・・というところだが、思いのほかの険しさだった。

しばらく登って行くと尾根上に出る。後は尾根伝いの感じで道は延びている。陽が昇って来た。昨日の権現堂山同様、今日も絶好の登山日和となった。しかしルンルン気分で登るほど生易しいものではなかった。尾根の両側はかなりの傾斜で落ち込んでいる。足を滑らせないよう、細心の注意を払って歩を進める。

草などで地面が隠れている個所は特に留意する必要がある。斜面に落ちたら死ぬことはなくてもかなり大変なことになる。早くも、これは普通の登山道ではないことを認識する。地形図に記載のない道だ。ネットで調べて選んだが、これなら昨日の権現堂山登山口から少し奥にある中子沢からのルートにすべきだった。登山用語で言うところのバリエーションルートに準ずるコースだろう。歩き始めた今は、このまま進むしかない。勾配は緩急と言いたいが『急』な個所ばかりだ。粘土質の黒土がよく滑る。何回手をついたり尻もちをついたことか。初心者にはかなり難しいルートになるだろう。灌木や、時には草を束につかみ、這い上る個所もある。草が千切れたら・・・そんなことは考えまい。

展望はなし、楽しみもなくただひたすら慎重に登って行くのみ。

倒れて横たわるブナの大木を掛け声で乗り越える。足元の低灌木の紅葉が、気持ちをわずかに癒し、高々と聳えるブナの大木を見上げ、ひちすら慎重に登って行く。時間の割には高度を稼げていない気がする。

かなり登ったと思われるあたりにロープが2カ所。ここにロープがあるのなら、欲しいところは途中に何カ所も、何十カ所もあった。いくらか勾配が弛んできたような気がするのは、雑木林の中へ入ったためだろうか。滑り落ちる心配の無くなったのはいいが、道が分かりにくいところもある。下山に道を間違えたら急崖の山では一大事、下山に少しでも不安がありそうなカ所には、マメに赤テープを残していく。10数ケ所ほどはつけただろうか。

2時間近くを要して明るい稜線に登り着いた。ここが猫岩。猫岩山と言ってもいい感じだ。昨日登った上権現堂山への稜線が鮮やかな紅葉に彩られ、長々と延びているのが見える。ここから立派な道が通じている。

ひと休みしてから二段階の勾配で三角錐に見えている唐松山への稜線を登る。これまでの悪路に比べたら、舗装された道を行くような気分の良さ。脚も急に軽くなった。紅葉や展望に視線を送ながら、15分で唐松山の山頂に立った。全身汗びっしょり、ハードな登りだった。

守門岳、浅草岳をはじめ、展望は昨日の権現堂山のおさらいだ。展望かたがた休憩をかねて、しばし山頂に座して時を過ごす。

しかし帰りの難路を思うとのんびりした気分にはなれない。

下山故、登りより早く歩けるのはあたり前だが、安全な足場をとるのに神経を使わなくてはならない。普通の下山とはわけがちがう。用心していても何回尻もちをついたことか。灌木にしがみつき、身をまかせて、一歩一歩の下山。このルートは登りより下りの方が大変だということを知った。特に山慣れない人にはお勧めできない。

赤テープのおかげで一度も戸惑うことなく下れたのも良かった。目印テープを残さなかったら、足元ばかりに気をとられ、ルートを誤る恐れも十分にあっただろう。尻もちをついた程度で無事に下山。しかし疲れた。登り2時間10分、下り1時間40分。気持の上では下りの方が疲れた山だった。


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