前鉢伏山(1836m)鉢伏山(1928m)横峰(1570m)高ボッチ山(1655m)

長野県 2007.07.24 単独 マイカー 地図 山辺南西
    鉢伏山北西
前鉢伏山 三等三角点
鉢伏山   二等三角点
横  峰   三等三角点
高ボッチ  三等三角点
コース アルプス展望台駐車場(6.30)---横峰三角点探し(7.00-7.20)---前鉢伏山(8.10-8.15)---鉢伏山(8.35-8.45)---横峰三角点探し(9.40-10.40)---アルプス展望台駐車場(11.10)---高ボッチ山(11.15-11.25)---アルプス展望台駐車場(11.30)
前鉢伏山から北アルプスを展望

じめじめした梅雨の晴れ間、一日だけの晴天予報に展望を期待して鉢伏山付近の三角点4座を訪問。

国道20号線塩尻峠から高ボッチ高原への道標に誘導されて高ボッチへ向かう。何回となく車で走った道だ。
空が抜けたような広闊な草原帯に飛び出すとそこが高ボッチ高原、上空は快晴、車の窓を開けると心地いい風が吹き込んでくる。
展望台広場へ車を止める。北アルプスの連嶺が早朝の陽を浴びて青黒く輝いている。


目の前の高ボッチ山ピークは後にして、まずは横峰三角点を目指して舗装された車道を鉢伏山方面へと向かう。30分ほど歩いたところで、地図でおおよその見当をつけて三角点を探し始める。2万5千図には車道のすぐ北側に記載されているが、目印になりそうなものは見当たらない。感だけで草と潅木の斜面へ入り、膝から下、朝露でびしょ濡れになりながら、小さな高み状のあたりを探すが見つからない。結局20分ほどで諦めて次の三角点前鉢伏山へ向かう。

右手に鉢伏山の大きな山体を見ながら、つま先上がりの舗装道をてくてく歩く。標高1500メートルを超える高原は実に爽やかで汗もかかない。ハクサンフウロが今を盛りとふんだんに目につく。
右手に鉢伏山荘が近づくとその手前に丘のような小さな高みがある。車道は丘の手前を鉢伏山荘へ向かうが、ここで丘の背後に回りこむような薄い踏跡がある。かつては車道だった道で地図にも車道として記されているが、今は車道という面影はない。踏跡を少し進むと車道の痕跡がはっきりしてきて、ここで左に分かれる方の道をとる。立派な林道に出ると前鉢伏山への道標が立っている。あたり一面レンゲツツジの植生が広がっている。花の時期のみごとさが目に浮かぶ。道標から前鉢伏山までは平坦な道をすぐだった。

鉢伏山から富士山をのぞむ
広々とした山頂には登山者が積み上げたケルン、その背後には胸のすくような北アルプスの連なり。梅雨に入ってから残雪は急速に少なくなったのがよくわかる。眩しかった銀嶺から、鋼鉄のような筋骨たくましい姿へと変身している。
風もなく、空は吸い込まれそうなスカイブルー、しばらく展望を楽しんでから次の鉢伏山へと向かう。

丘の背後を巻くようにして進むと鉢伏山荘付近へ出る。ここから遊歩道をたどって15分、途中ハクサンフウロ、ヤマオダマキ、イブキトラノオ、コウリンカなどを見ながら山頂へ。
山頂には二等三角点、その先には展望台がある。鉢伏山はこれが4回目だろうか。
展望は「みごと」のひとこと。北ア、乗鞍、御嶽、中ア、南ア、八ツ、富士山、美ケ原・・・そして松本平、諏訪湖、伊那谷。
わが国の3000メートル峰のすべてはここから確認できるのではないだろうか。まさに日本の中心に立っているという実感が湧いてくる。

鉢伏山をあとに高ボッチへと戻る。途中もう一度横峰三角点を探すことにする。地図と地形を見比べて、今朝ほどとは違うところを探す。車道から北へ下って行く尾根を二つたどってみたが発見できない。
2万5千図に『横峰』と書かれているすぐ上に、1670メートル標高点があり、三角点より97メートル高い。これが横峰の最高点だろう。取りつき場所を探すと、車道から古い轍の跡らしいものが上へ延びている。
南アルプス望見(高ボッチより)
草に埋もれた道を少し追ってみると最高点と思しきところに無人雨量観測ロボット施設があった。ここが1620メートル標高点だろう。
三角点は見つけられなかったが、これで横峰を登ったことにする。
そのあと、もう一つ小さな踏跡を見つけて三角点があるのではないかと期待して行ってみたが無駄だった。
狭い範囲を都合1時間ほどうろうろしたあげくあきらめた。三角点探しはGPSを持たなくては無理かもしれない。

駐車した展望台へ戻り、ここから高ボッチ山を往復する。ピークまで片道数分の距離だ。
観光客にまじって遊歩道を進むと、ヨツバヒヨドリ、ウツボグサ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ、タカネナデシコなどの花が見られた。高ボッチ山を訪れたのはこれが数回目になるだろう。自動車の入れない積雪期、春、夏、秋とそれぞれの顔を見てきた。
鉢伏山より300メートルほど低いが、展望は高ボッチ山のほうがいい。
北ア、中ア、南ア、八ツ、富士山などわが国を代表する山岳のほとんどすべて、日本の3000メートル峰は南アの一部を除いて、すべて視界にあるようだ。
眼下には南に諏訪湖、北に松本平、遠く天竜に沿って開ける伊那谷が遥かかなたへと延びてその先は霞となって消えている。マイカーでも来ることの出来る山岳展望台は、天候に恵まれると誰しも息を飲まずにはいられない圧巻だ。


中部山岳の展望に十分満足して高ボッチをあとにした。
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