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三方岩岳(さんぽういわ)=1736m 野谷荘司山(のだにしょうじ)=1797m 妙法山 (みょうほう)=1776m

岐阜・石川県 2007.09.27 単独 マイカー 地図 中宮温泉南東
    新岩間温泉北東
野谷荘司山 二等三角点
妙法山    三等三角点
コース 長野自宅(3.50)===白山スーパー林道馬狩料金所(6.55-8.00)===三方岩駐車場(8.15-8.20)---三方岩岳(8.50)---鶴平新道分岐(9.40)---野谷荘司山(9.50)---もうせん平---妙法山(11.05-11.15)---もうせん平---野谷荘司山(12.35-12.40)---休憩(13.15-13.20)---三方岩岳(13.45)---三方岩駐車場(14.15)
野谷荘司山と妙法山は、以前からぜひ登ってみたいと思っていた山だった。いつのころからか、この山の名前が記憶の箱の中にしまいこまれてから久しい。そのきっかけは何だったのだろうか、思い出せない。もしかすると残雪期に岐阜白川郷から天生峠へと通じる車道をたどったとき、途中に展望案内看板が立っていて、そこにこの2座があったような気がする。
奥美濃の山々、白山、遠く北アルプスなどを眺めながら歩くのを楽しみにしてきた



野谷荘司山山頂
予報では天気は上々、期待して出かけてきた。
白山スーパー林道馬狩料金所開門は8時、1時間以上待って三方岩駐車場へ。

予報に裏切られた感じの曇り空に落胆が大きい。しかし登らずに引き返すわけにはいかない。登山案内板が立っているが、目をやることもなく最初のピーク三方岩岳への登りに取りつく。
30分で『三方岩の神』の標柱のあるピークに立つ。三方岩岳は日本300名山でもある。10年ほど前に馬狩料金所から残雪を踏み、不安な思いを抱きながら登った懐かしい山である。重荷を背負いここから瓢箪山を越え、笈ケ岳を目指した日の記憶がよみがえる。その笈ケ岳は曇り空の下にぼんやりとのぞめるものの、白山など期待の大展望は得られない。

小さなコルを挟んだ先が馬狩荘司山のピーク、8年前に登った三方崩山が目の前に見える。三方崩山は私なら日本300名山に入れたい山だ。

あとはなだらかな稜線をたどって、妙法山までは簡単なコースと思っていた。しかしどこで勘違いをしてしまったのか、それほど簡単ではなかった。駐車場から片道2時間、往復で4時間程度とふんだのは大間違いであったのを後で気づくことになる。

もったいないほど大きく下ったあとも、さらにアップダウンを繰り返す。山はガスって展望はほとんどない。白山の山影の一部と、三方崩山が見えるだけ、期待が大きかっただけに無念の思いが強い。野谷荘司山までは、たいして時間はかからないと思っていたのになかなか着かない。そんなに時間がかかるはずはない、途中過ぎてきたピークがそれだったのだろうか。疑心暗鬼で足を運ぶと400メートル先が野谷荘司山という道標があり、鶴平コースがここで合流していた。

野谷荘司山は天気が良いと大きな展望が広がっているのだろうに残念。駐車場からここまで1時間30分、地図を見ると妙法山まではまだだいぶ行程が残っている。考えていた片道2時間という計算は到底無理だ。なにしろガスで先の見通しがきかないので、目視で見当をつけることもできない。

野谷荘司山の2等三角点を確認し、気を取り直して次のピーク妙法山へ向かう。
野谷荘司山が1797m、妙法山が1776m、ほとんど変わらないのに、この先も大きなアップダウンが何回も現れる。コメツガの樹林に入ったり、低潅木の展望遊歩道の感じに変わったり、紅葉の先がけヤマウルシの紅、オオカメノキの赤く熟れた実を見たりして、少し速度を上げて先を目ざした。

大きく下ったコルにごく小さな湿原があらわれる。『もうせん平』の表示がある。時間はどんどん過ぎて行く。どうしてこんなに時間がかかるのだろうか、いぶかしい思いを抱きながらまたひとつピークを越えると、はっはきりとしたもうひとつのピークが前方に見えてきた。ピークへ延びる登山道も明瞭だ。どうやらようやく妙法山に近づいたらしい。一気にコルまで下って、最後の急登にかかる。少し足を速めたのと、休憩をまったく取ってなかったこともあり、この急登は足にこたえる。最後は岩場の雰囲気になり、慎重に登りきると、そこが妙法山の山頂だった。

妙法山山頂
結局片道2時間45分の行程だった。不可解な思いを解くために昭文社刊『白山』の地図を開いてみた。片道4時間50分、往復9時間20分とある。バカな勘違いをしたものと自嘲。
大展望のはずの山頂だが展望らしい展望はない。目の前の白山もその大きい図体の一部しか見せてくれない。瓢箪山から笈ケ岳、大笠山、大門山などがかろうじて見えるのみ、北アはもちろん、懐かしい奥美濃の山々の懐古もならなかった。三等三角点を確認してから冷たい風を避けて山頂下で軽く食事をしてから帰路についた。

復路もまた繰り返すアップダウンが足にきびしい。
途中5分の休憩を2回とって三方岩岳まて戻ると、そこは遠足の小学生100人以上が食事をしたりしていて大賑わい。
三方岩岳から駐車場への下りで、知的障害の児童が擁護の女性教諭二人に付き添われながらも苦戦しているのを見る。教諭も山歩きははほとんど知らない風、見かねておせっかいと知りつつ手を差しのべて、良い道になるところまで手伝いをした。

ごく普通の日帰りハイキングコースにもかかわらず、コースを甘く見すぎていた反動で思いのほか疲労を感じた1日だった。
帰りに白川郷合掌集落へ立ち寄り、絵になりそうなところを何枚か写真に収めたあと、また長い道中を長野へと車を走らせた。
1998年4月、残雪期の三方岩岳はこちらへ