追想の山々1058  up-date 2001.07.01

早池峰山(1914m) 登頂日1990.09.01 曇り 単独
急行八甲田〓〓〓盛岡駅===大迫町===岳(8.45)−−−河原の坊(9.55)−−−頭垢離(10.42)−−−早池峰山(11.35-12.10)−−−小田越(13.35)−−−河原の坊(14.05-30)−−−岳(16.00)・・・・民宿泊
所要時間 8時間 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
  日本百名山99座目=(53歳)

日本百名山は、あと二つ、飯豊山と 早池峰山が残っていた。
9月22〜24日の三連休に飯豊山縦走で完登を果たす予定になっているから、その前に早池峰山を登っておかなければならなかった。
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これまで何回か計画しながら、他の山が優先されて今日まできてしまった。
もう待ったなし、早池峰山を後回しにすることができなくなった。できればハヤチネウスユキソウの咲く7月に登りたかったが、花は又の機会に回して今回は頂上を踏んで来ることを目的に出かけることにした。  

8月31目(金)、夜行急行『津軽』で上野駅を発った。
早朝の盛岡駅に下車。駅前から一番のバスでバスセンターへ、45分ほど待って7時1 5分発大船渡行急行バスに乗り、大迫町(おおはさま)下車。タクシーで岳(たけ)集落へ向かった。
岳民宿で今夜の宿を予約、不要の荷物を預かってもらう。寝不足でぼやっとしていたらしく、バスの中に帽子を忘れて、民宿のおばさんの麦藁帽子を貸してもらった。  

民宿の玄関に泥だらけの登山靴があったので聞いてみると、昨日道に迷ってどろどろになって帰って来た人が、疲れてまだ寝ているのだという。

岳から暑い車道を歩いて1時間10分、登山口の『河原の坊』に着く。立派なビジターセンター、マイカーも7〜8台見える。
岳を出るときは強い日差しだったのに、河原の坊は曇って早池峰山も隠れていた。
10時ちょうど、河原の坊から正面コースといわれるコメガモリ沢沿いの登山道に入る。沢筋にびっしりと石の詰まった河原のような道となる。この石ころ道を『石パネ』という。滑りやすい石で注意して歩かないと危ない。
蒸し暑い上に結構傾斜もある。
登山道は頭垢離(こうべごうり)でコメガモリ沢を離れて頂上への急斜面の登りとなった。湿度が高く汗の出方も激しい。
効率よくどんどん高度を上げて、喘いでいる先行のパーティーを、ひと組、またひと組と追い越す。
霧の中に累々と積み重なる岩には、ルートを示す表示板が間断なくつけられている。
打石(ぶちいし)という巨岩通過が11時15分でかなりペースが早い。覆いかぶさるような大岩を回りこんだり、岩登りまがいに撃じ登ったりして山頂に着いた。  
山頂には神社、避難小屋、玉垣に鉄剣、 大小いくつもの乱雑に置かれた登頂記念のプレート、何とも雑然と して落ち着きのない雰囲気だった。霧は休みなく山頂を流れて展望はない。巨岩に覆われた山頂であることだけがうかがえた。  

日本百名山99座目の登頂を祝い、一人缶ビールで乾杯のあと小田越コースを下山。
田代平の木道からトドマツやキャラボクの低樹林を抜けると、 霧が薄くなってハイマツの斜面に岩が点在する特異な景観が視界に入って来た。これが蛇紋岩残丘という早池峰山特有の景観だった。向う正面には薬師岳が鷹揚に盛り上がり、眼下には小田越への樹海が広がっている。岩ばかりの河原の坊正面コースにくらべ、こちらは景色に変化もあって楽しい。
大きな鳥居の建つ小田越登山口にも自動車が多い。薬師岳へ登ろうかとも考えたが、少し時間がたりない。まっすぐに民宿へ帰ることにした。

早池峰神社を参詣して予約の民宿へ戻った。早速風呂で汗を流しビールにありつく。汗がとりわけひどく、その分ビールのうまさが喉にしみる。
夜行列車の寝不足もあり、99座目の早池峰山の夢を結んで早々に床に就いた。
2000.0804 妻同行による小田越からの往復はこちらへ