追想の山々1198  up-date 2001.11.25

富良野岳(1920m) 登頂日1995.08.11 妻同行
十勝岳温泉(10.20)−−−三段山分岐(10.50)−−−1502m分岐(11.20)−−−稜線分岐(12.20)−−−富良野岳(12.50-13.05)−−−稜線分岐(13.25)−−−十勝岳温泉(14.50)===中富良野キャンプ場へ
所要時間 4時間30分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
大千軒岳・駒ケ岳・狩場山・ニセコアンヌプリ・余市岳・富良野岳・夕張岳・札幌岳
5回目の北海道山旅(道内9泊)=58才
富良野岳は花の名山・イワブクロ


自炊小屋“白銀荘”の朝。6日連続の雨。
気乗りしない気分で、今日の行動をあれこれと思案しながら、ぐずぐずしていた。
富良野岳は300名山ではないから、登頂を中止して今日は休養日にしてもいい。そんなことを考えている間に、泊り客も一人減り、二人減り、それぞれに出発して行って、残るのは私たちのほか2〜3人になってしまった。ひとまず富良野岳登山口の十勝岳温泉まで行って様子を見ることにした。
途中、有名な露天風呂『吹上温泉に入ってゆく。原生林の中の無人の温泉で、勿論料金不要、急斜面の途中に設けられた温泉で、岩の窪みが三つの湯壷を作 り、溢れた湯が谷川に流れ落ちていた。まったく野趣豊かな完璧な露天風呂である。脱衣の小屋もない。脱衣も入浴も丸見え、相当の勇気がないと女 性には入れそうにない。

十勝岳温泉駐車場まで行ってみたが、依然として雨が降っている。そんな中を登って行く人の姿を見て、稜線が荒れ模様なら引き返すことにして、渋る妻を促してひとまず登って見ることにた。
日本三百名山ではないが、花の山として楽しみにしてきた。
安政火口までは観光客用の遊歩道となっている。赤茶けた谷を渡ったところで、安政火口ヘの道と別れて、登山道らしい登りとなった。上ホロカメットクへの道を見送った先、岩場の登りで登山にも不慣れな感しの祖父、お母さん、小さい子供の3人が登って行くのを追い越す。こんな天候の中を小さな子供を連れて、少し無謀ではないかと心配になる。子供たちを追い越した先が地図の1502メートル観測点だろうか、小さな沢を越えたところで、やや開けた台地上に出た。いい休憩ポイン トてある。エゾトリカブトなどの高山植物も顔を見せてきた。今日は眺望がない分、期待は高山植物。

富良野岳山頂
コースは長い水平道になる。潅木の枝が頭上に張り出して、さした傘の邪魔になる。水平道が終って上り勾配となると、間もなく潅木帯を抜けて吹きさらしの砂礫地に出た。ここは富良野岳と上ホロをつなぐ稜線で、富良野岳の肩にあたる。雨と風が吹き抜ける。富良野岳へは砂礫の斜面につけられた道を登って行く。森林限界を抜け出た高山の雰囲気に満ちている。登山道の両側は花の山の名に恥じず、一面のお花畑が広がっていた。露を含んだイワブクロが足元にひっそりと咲き、ナガバキクアザミが群落をつくり、チングルマの実が風に揺れる。エゾクワガタ、エゾトリカブト、ミヤマキンポウゲ・・‥。花の種類も数も多い。花に見とれて、まもなく山頂へ達した。

著名山岳だけに、こんな天気でも登山者の姿がある。
山頂は思ったより風は弱く、霧雨まがいの雨でたいしたことはない。つぎづきと去来する霧をうらめしく見ながら、軽い昼食をして山頂を後にした。
天気がよかったら、上ホロを経由して下山する予定だったが同じ道を戻った。
登山口は朝よりさらに霧が濃くなって、視界は10メートルほどしかない。雨も本降りとなっていた。楽しみにしていた望岳荘の露天風呂は改修中で入ることができない。かわりに少し下った国民宿舎上ホロ荘の温泉で汗を流した。

この後、中富良野郊外の森林公園キャンプ場に宿泊。キャンプ場は満杯の盛況、洗腸しなくてはならないので、トイレそばにテントを設営。食料の買い足しにスーパーまで行き、キャンプ場へ帰るころには、 またぼつりぼつりと雨が落ちて来た。
いよいよ明日は最後の夕張岳。明日の天気はどうなるだろうか。
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