追想の山々1256  up-date 2002.01.06


乾徳山(2016m) 登頂日1988.04.16 単独行
徳和(8.10)−−−登山口(8.30)−−−国師ケ原(9.30)−−−扇平(10.05)−−−乾徳山(11.50-12.05)−−−道満山(12.25)
−−−徳和(13.00)
所要時間 4時間50分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
明るさに満ちた日本300名山=51
岩のピーク、乾徳山


大森駅始発4時26分の電車で品川、新宿、高尾と乗り縫いで塩山へ。待つ間もなく登山口行のバスに乗り込む。乗客は3人で登山客は私一人だけ。
絶好の登山日和に恵まれた。
2000米を超す山だから、残雪もかなりあると思ってアイゼン持参の冬山装備で出てきたが、南向きのこの山にはほとんど雪は見えない。

8時10分徳和川沿いに歩き始める。20分程で登山道となり傾斜を増していく。体が軽い。天気もいいし気分は最高、それにまったく人の影を見ない。採石場から石の崩れる音が無気味だ。
春の陽射しを背に受けて、コースは鼻歌でも出そうなルンルンの明るい道。杉林、雑木林、白樺・楢の潅木、カラマツ林と目まぐるしく樹相が変わる。
錦晶水で歯にしみるような冷たい水を一口飲んでみる。
残雪が少し出てきたがたいしたことはない。草原の国師原からややきつい登りをあえぎながら登りきると、もう扇平だ。風の通り道になっているのか、寒風に汗で濡れた体がすぐに冷えてゆく。富士山が正面にそびえ、南アルプスの銀嶺が中空に浮かび上がっている。
ひと休みして項上に向かう。日陰には雪が多くなるが、気温の上昇で柔らかくてアイゼンの必要はない。岩だらけの道を右へ左へとコースをとりながら高度を上げていく。朽ちかけた梯子や鎖場を幾つか通過して、頂上直下の最後の岩場を鎖につかまって腕力で体を引き上げると山頂だった。

頂上からの展望は申し分ない。風もなく、空気は澄んで遠望も十分。金峰、国師、甲武信と奥秩父の主峰、さらに大菩薩連嶺、奥多摩の山々、丹沢、御坂山塊、富士山、南アルプス・・・十二分に目を楽しませてくれた。
帰途は、扇平から登ってきたときの道と別れて、道満尾根を徳和に向けて下った。
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