追想の山々1279  up-date 2002.02.03


榛 名 山
榛名外輪山(1411m)・掃部岳(1448m)・榛名富士(1391m)
【1】1990.11.03  ≪榛名外輪山≫ 氷室山天目山(1303m)〜相馬山(1411m)・・・・53歳
上野駅(6.04)〓〓〓高崎駅==バス==榛名湖畔(10.00)−−−氷室山(10.15)−−−天目山(10.35)−−−七曲峠(10.45)−−−松の沢峠(11.10)−−−磨墨(スルス)峠(11.25)−−−相馬山(11.50-12.10)−−−おんま分岐(12.45)−−−伊香保森林公園−−−湯元共同風呂(13.30-55)−−−伊香保温泉バス停(14.15)==バス==渋川駅〓〓〓上野駅へ   (所要時間 4時間15分)
榛名外輪山、右が相馬山
上越線上野駅発6時12分の一番列車、各駅停車の鈍行でのんびりと高崎へ。高崎からは榛名湖行きのバスに乗り換える。バスは観光客やハイカーを乗せて超満員で出発した。谷沿いの紅葉に、乗客から期せずして「きれい」の歓声が上がる。
榛名湖着は10時、湖面にはボートが浮かび散策する観光客の 姿が行き交う。
バス停からやや戻って氷室山への登山道に入る。急な登りだが 観光客でも歩けるほどに整備されたいい道だ。15分ほどでまず第一山目の氷室山の頂上に着く。雑木に囲まれて展望はないが、木々は紅葉に染まり、まずは秋の気分にどっぶりと浸かって次のピーク天目山へ向かう。急坂をかけ下って天目山への登りにかかると、うら若い女性が二人、空身の気楽さで歩いているのが見える。この辺も観光客のエリアのようだ。

左手に榛名湖を見下ろしながら、20分程で1302メートルの天目山。
再び急坂を下って行くと自動車道に交差した七曲峠である。車道を横断して登山道は登りとなる。防火帯として広く切り払われた明るいルートは関東ふれあいの道でもある。前方に妙にもっこりとした相馬山が目を引く。芝草の上でしばらくのんびりしてから又下って、松の沢峠でもう一 度車道を横断すると、間もなく広々とした墨磨峠だ。榛名湖と榛名富士が眺められ、四阿もあって休むにはいいところだが、歩きはじめて1時間半程度では疲労もなくそのまま先へ進む。
予定は、松の沢峠から今朝ほどのバス停へ戻るつもりだったが、物足りなくて伊香保温泉へ抜けるコースに気まぐれの変更。
紅葉に飾られた大きな岩が墨磨(するす)岩で、その裏に行者が修行したという洞があった。四阿からすぐ先に鳥居があって、白装束姿が上からぞろぞろと降りて来た。
岩の急斜面にはところどころ鎖もつけられている。厳しい急登をひと踏ん張りして着いた頂が相馬山であった。
山頂には立派な神社があるが、数人のハイカーで、もうくつろぐ場所もない狭い頂だった。猫の額ほどの場所に腰を下ろして昼食にする。天気はいいが透明度はもうひとつで遠望はきかない。かすむ山並みは赤城山のようだ。隣に座った夫婦が「伊香保へ下るコースは鎖場があったりして大変らしいですよ」」と注意してくれる。多分私をふがいないハイカーと思って親切に言ってくれたのだろう。

伊香保側へは確かにのっけから転げ落ちそうな急坂だ。すぐに鎖場となる。鎖がちょっと短かったりするが、特別心配するよう なこともなく通過、もっと厳しいところがあるのだろうと思って歩いたが、その後はもう普通の登山道だった。
伊香保森林公園まで下り、管理棟で湯元の露天共同温泉を教えてもらい、汗を流していい気分でバスで渋川駅へ。帰りも鈍行列車でのんびりと上野駅に向かった。
【2】1991.11.30  ≪掃部岳≫(1448m)・・・榛名山の最高峰  54歳
東京(4.05)===榛名湖(7.05)−−−硯石(7.30)−−−掃部岳(8.00)−−−杖の神の頭(8.35)−−−杖の神峠(8.45)−−−榛名湖(9.20)===榛名神社参拝===東京へ    (所要 2時間15分)
榛名複式火山峰の最高峰は『掃部岳=かもんだけ』 、昨秋外輪山の相馬岳を登ったが、最高峰が残ってしまったのが気になっていた。
明日から師走という初冬、掃部岳へ出かけた。

早朝、そぼ降る冷たい雨に打たれた榛名湖畔には人影もない。雨貝を着け傘を差して湖畔通りから国民宿舎脇の指導標に沿って登山道に入る。整備の行き届いた道を辿り、尾根のコルに登りつく。コルから右へわずか行くと、硯石という岩の突起がある。ここは好展望台
らしいが、濃霧で何も見えない。
コルに戻って掃部岳への登りとなる。深い笹が両側から登山道にかぶさって、たちまちびしょ濡れとなってしまう。硯石まではよく整備されていたのに、掃部岳まで足を延ばす人は少ないのだろう。
笹は山頂までずっとつづいた。
外輪山と榛名湖を展望する山頂も、ただ霧が去来しているだけ。
山頂から笹を分けて下山にかかる。突起を三つ越え、巨岩の基部を巻くと『杖の神の頭』で杖の神峠と倉淵の分岐である。滑りやすい斜面を杖の神峠へ急降下して行く。峠は笹原の中にあって、祠と石仏が冷たい雨に打たれていた。

しっかりした水平道となり、涸れ沢を三つ、四つ過ぎると工事中の林道につながっていた。  林道を下り切ったところが、今朝ほど出発した湖畔の駐車場だった。
帰途、榛名神社に立ち寄ってから帰路についた。   
                                     、
【3】1994.11.05  ≪榛名富士≫(1391m)・・・日本300名山  57歳
稲包山下山===四万温泉===榛名湖(13.15)−−−榛名富士(13.50)−−−榛名湖(14.10)===東京へ  (所要時間 55分)
榛名富士
午前中、四万温泉から稲包山を登り、東京への帰り道に榛名富士へ立ち寄った。言ってみればついでに日本300名山を一つ稼いで帰ろうと言うわけである。
紅葉の美しい高崎榛名吾妻線という県道を走ること約1時間、榛名湖畔に到着。

榛名富士は湖畔から見ると、端麗な三角維の山がまるで湖に浮かんでいるように見える。
ケーブルのある反対側に登山道を見つけて、ここから歩いて登ることにした。この山は今や観光客の山で、ケーブルでひといきに山頂まで登ることができる。歩いて登るにしてもピクニックほどのもので、もはや登山とは言いがたい山であった。
ただ日本三百名山に名を列する山ということで登りに来たが、そうでなかったらとても登る気はしない。むしろ外輪の相馬山や掃部岳の方がハイキングに向いている。それでも結構急な道を登ること30分で山頂へ達した。
ちょうど紅葉シーズンとも重なって、山頂の神社周辺は観光客でひしめきあっていた。
霞がかかり、わずかに掃部岳や相馬山な どの榛名外輪山が望めるのみだった。