追想の山々1286 up-date 2002.02.16
天川村洞川母公堂(6.00)−−−大峰大橋(6.15)−−−一の世茶屋(6.30)−−−一本松茶屋(6.50)−−−洞辻茶屋(7.35)−−−西の覗(8.05-15)−−−山上ケ岳(8.20-25)−−−レンゲ辻88.50-55)−−−山上辻(9.25)−−−稲村ケ岳(9.50-10.40)−−−大日山−−−山上辻811.10)−−−洞川母公堂(12.15)===洞川温泉入浴後帰宅 | |||||
所要時間 6時間15分 | 1日目 ***** | 2日目 **** | 山上ケ岳 一等三角点 稲村ケ岳 三等三角点 |
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女人禁制修験の山、日本300名山=60才
時間が早いせいか、行者や登山者などの姿も見えない車道を、大峰大橋へ向かって行く。大峰大橋を渡ると、女人結界の門がある。「今どき何という時代錯誤・・・」と思うが、かたくなに女性を拒んでいるこの不可思議さ。どんな教義があるのか知らないし、また知ろうとも思わないが、私の感覚では率直に言ってばかばかしいの一語。 さて山上ケ岳は修験道の山であるから、いわゆる岩山の険しさが取り柄であるはず。たしかに山全体にそそり立つ奇岩怪石が随所にあって、その険しさは知れる。 ところが、登山道(いや修験者の道と言うのか)は完璧に整備されて、観光気分でも歩ける程度の道である。修験といっても、実態は修験に名を借りた観光遊山かもしれない。 結界門をくぐってすぐに一の世茶屋、さらに20分も歩けば一本松茶屋。茶店といっても一軒ぽつんとあるのではなく何軒も並んでいる。奈良の山は相変わらず杉などの人工林ばかり、うんざりさせられるが上に行くと自然林となって救われる。 大橋から1時間15分ほどで吉野からのコースと合する洞辻茶屋へ着く。仏像などが何体か立っていて、長屋のように茶店が並んでいる。人の気配はなく素通りする。 この先から板の階段がつづき、ところによっては鎖もある。しかし鎖を使うほどのこともなく登れる。このあたりに鐘掛岩という行場があるはずだが、うっかりして知らぬ間に板の階段で巻いてしまい惜しいことをした。 等覚門というのをくぐると、がぜん色濃い宗教色が支配するようになる。講の建てた石柱や、50回登った記念の碑など、所狭しと両側に列を作っている。 山へ登っていると言う感じがなくなって、どこか村里の神社の境内を歩いているようだ。 名物の行場”西の覗き”という岩場、ここは断崖絶壁の岩場からロープに確保されて身を乗り出すと言う『荒行』を行うところだ。そこにはちゃんとロープも用意されているが、確保する技術のある人にやってもらわないと不安だろう。 山上ケ岳は覗き岩からはすぐだった。3〜4軒の宿坊の間をとおって、一段上がったところが本堂前の大きな広場だった。本堂は大きな建物で驚く。資材のすべては人力で背負い上げたのだろうが、恐るべき人の力だ。 山頂がどこにあるのかわからない。本堂の裏手が少し高くなっているようだが、そこへは行くことが出来ない。まあ仕方がない。ここが山頂と言うことで稲村ケ岳へ向かうことにした。 本堂広場から少し行ったところが山頂のお花畑というところ。広々とした笹の台地でなかなか見晴らしも優れている。名前はわからないが、南へ長々と連なる大峰山系をのぞめた。時期が悪いのか笹以外に花のたぐいは全然見当たらない。ここが本当の山頂だったかも知れない。 お花畑の先で高低差200メートルの下りとなる。様子が変って本当の登山道となる。もう観光客用の道ではない。段差の大きい露岩には木梯子がかかっているが、すでに長いこと手入れもされずに半分腐っていて、体重をかけたら崩れてしまいそうだ。20分余で鞍部のレンゲ辻まで下った。レンゲ辻の鞍部にも女人結界の門がある。 鞍部から山上辻まではたいして急な登りもない。途中にはカエデの純林と言いたいような所がある。紅葉の時期を迎えると見事だろう。新緑も良いにちがいない。 山上辻から稲村ケ岳へは、40分のやや急な登りと書かれていたが、実際には20数分で着いてしまった。山上ケ岳よりこっちの方が7メートル高い。 山頂には大きな展望台が建てられ、展望は良好。大峰山系の山上ケ岳・大普賢岳、行者還岳、彌山、釈迦ケ岳が一望出来る。大峰の背後には大台ケ原、遠く鈴鹿山脈と思われる山々もうかがえる。大和平野の先には金剛山地も明瞭だった。 山頂を後に、山上辻まで戻る途中、大日山に立ち寄ってみたが眺望はほとんどなかった。 山上辻からは法力峠経由で出発点の母公堂へと下った。 |