2014

六甲 摩耶山=まやさん
兵庫県 2001.03.02 単独 三等三角点
コース JR三ノ宮駅(6.50)−−−新神戸駅−−−市ケ原(7.55)−−−天狗尾根コース−−−摩耶山(9.15)−−−黒岩尾根コース−−−市ケ原(10.20)−−−三ノ宮駅(11.15)
摩耶山は、六甲山地の中で主峰の六甲山と並んで市民から親しまれている山だという。地図を見るとこの小さな山に登山コースは何と10本ほどあってびっくりする。JR三宮駅から山頂を目指すことにした。

標高は702mしかないが、JR三宮駅の標高が実質0メートル、山の高さがそのまま標高差となるので、そこそこ歩き甲斐のあるコースとなる。
これまでいろいろな山に登ってきたが、神戸のような大都会の中心部から、直接山頂を目指して歩くという経験はちょっと記憶にない。言って見れば東京銀座からハイキングのスタートをするようなものだ。神戸はそれだけ山が迫った地形と言うことだろうか。

三ノ駅宮から街中を歩き、新幹線新神戸駅を横切り山へ向かう。人家はすぐに途切れる。港を見下ろす展望所のようなところで、早起き会らしい団体が演歌っぽい歌を斉唱している。演歌嫌いな私としては「ああ、朝から何たるこの不運」という気分で足早に通り過ぎる。
山道へ入るまで、三宮から登り勾配の車道を市ケ原まで1時間強。市ケ原の茶店の先で、天狗尾根経由摩耶山への道標を見て登山道へ入る。ウイークデイのためか人の姿はない。

コースは遊歩道並みに整備されている。高度が上がって行くと、ときおり神戸の港が眼下に見える。小雪が舞いだして、落ち葉の上に塩を振ったほどの雪が積っている。 体調がいまいち、汗ばかりが滴り、どうもペースがつかめない。原因は寝坊して、自宅から駅までの道を20数分、寝起きに駆けたためかもしれない。
学校林コースと合流するころには、額の汗を何回もぬぐっていた。風も冷たく天気もあいにく、体調も不充分。だんだんと気が乗らなくなってきた。是非とも登っておきたい山でもない、“引き返そうか”投げやりな気分を抱きつつ、足だけは前へ進んで行く。せっかくだから山頂までは行こう、いや面倒だからもう帰ろう、そんな葛藤はよく経験す る。しかし引き返したことはこれまで一度もない。気持ちを整理するためのセレモニーのようなものかもしれない。

1本調子の登りではなく、小さなアップダウンを何回も繰り返し、予想した以上に歩きでがある。「ゴロゴロ坂」とやらを登り終わり、山頂到着かと思ったところは舗装された車道、バス停もある。地図を広げたら、奥摩耶ドライブウェイと言うのが山頂まで通じていたのだ。こういうのが一番がっかりする。

三宮から2時間30分、高低差700mにしてはかかり過ぎだが、登山道入口までのアプローチが長いことを考えれば仕方ない。NHKか何かの通信関係の建造物から少し登ったところに、しめ縄を張つた天狗岩があり、その後ろにひっそりと三等三角点があった。
樹木が茂って展望はゼロ。

下山コースも選択肢はたくさんあったが、黒岩尾根コースを選んだ。こ のコースも途中のアップダウンが多かった。登山口の市ケ原へ下り着くころ、ようやく青空がのぞいて、いくつかのグループが登って行った。
街中ほど近くまで下ったところで布引の滝に立ち寄ってみた。滝というと落差、水量が名瀑の要件のように思うが、この滝は『優雅さ』で勝負という感じの美しい滝だった。