2030

山行報告- 十種ケ峰=とくさがみね(989m)
山口・島根県 2001.05.27 単独
コース 十種ケ峰キャンプ場(9.50)−−−十種ケ峰(10.50)−−−キャンプ場(11.30)
一等三角点百名山の97座目


十種ケ峰山頂
「一等三角点の百名山」と「都道府県別最高峰」 
この二つの踏破については、それほど執着しているわけでもなく、また目標と言えるぼと大上段に構えていたわけでもないが、それでも頭の片隅から消えることなかった。
いつも「残りはどの山」などと考えて長いこと過ごしてきた。

一等三角点百名山は残り3座、中国地方(鳥取、広島、山口県)に残っていた。
都道府県別最高峰は残り4座、中国地方3座(岡山、島根・広島、山口県)と沖縄県である。

今回は中国地方に残る山を登るために出かけた。
最初の山は一等三角点百名山で、山口・島根県境の十種ケ峰だった。観光で名高い津和野がほど近くにありながら、そちらには目もくれない。これが山好きというやつでしょう。
標高は989メートルしかないが、高い山のない地方ではそれなりに目立った存在だった。また見る角度によって、全く別の山の見えるのも面白かった。

奈良の自宅を深夜に発ち、中国自動車道鹿野ICまでひたすら疾駆。
さらに50キロ、合わせて500数十キロのドライブだった。毎度のことで慣れているとはいえ、7時間余一人でのドライブは飽きてくる。
予定では南側の福谷池から登ることにしていたが、福谷池には道標一つないし、大きな工事が行われて予備知識とは様子が大きく変わっている。五万分の一地図にも登山道は記されていない。ここでつまずくと後の予定が狂ってしまうので、安全のために北側のキャンプ場からのコースに変更した。

十種ケ峰キャンプ場へ自動車を置いて出発。
このあたりの地名は漢字で徳佐(とくさ)、山の名前は十種(とくさ)となっているがどういう関係があるのか。十種は読みにくいので、徳佐を当て字にしたのかもしれない。
沖縄以外、全国で足を踏み入れたことのない県、登ったことのない山がある県は、この山口県だけ。しかしこうして山を歩けば、全国どこへ行っても特別目新しく感じるものもなく、いつもの山歩きと変わるものはない。
15分ほどは舗装道路を行く。路肩にはアザミの花がきれいに咲いている。草の茂りはもう夏草の風情そのものだ。先週歩いて来た信州の趣とは、季節感がかなり違う。

山道へ入るが、民家のすぐ裏山を歩いているような気がする。砂利を敷き詰めた車道へ出たと思ったら、しばらくするとまた山道、次は立派な舗装道路、何とも目まぐるしく変わるコースだ。
NHK電波中継施設を過ぎると、一面笹に覆われた丸い山頂が目の前に現れた。これが十種ケ峰である。
笹の間の細道をひと登りして山頂へ立った。
まず一等三角点標石を確認する。これが一等三角点百名山98座目の頂である。 展望盤を見ながら周囲の山々を見渡すが、名前を知る山はない。展望には優れた頂だが、見えるのはどれも背丈の低い山ばかり、特色もなくドングリの背比べのように連なるばかりであった。
日本海をのぞめるというが、それも叶わなかった。

目標の山を一つ登れたと言うささやかな喜びを感じて山頂を後にした。