山のエッセイ3074  up-date 2003.10.05  山のエッセイ目次へ

山小屋の食事
今年の夏は北アルプスの山小屋に2回泊る機会がありました。
料金は二食つきでおおむね8500円から9000円くらいが多いと思いますが、今夏泊った山小屋も同様でした。

宿泊代は決して安くはありませんが、それにしても食事の質は大きく変ってきました。良くなっているのです。私の登山歴はたかだか20年弱、昔のことは知りませんが、それでも当時の山小屋の食事と言えば、学校給食のような仕切りのついた1枚の皿に、レトルトを温めた程度のものが2,3品のってるだけでした。

ところが今夏泊った船窪小屋は一品づつ器を変えて、それも4、5品。揚げたてのてんぷらなど、結構手のかかったおかずで、「調理」を感じさせます。
もう1軒の餓鬼岳小屋、こちらはチラシ寿司でしたが、シイタケ入りの寿司飯に海苔・しょうが・ホタテ・ソボロ・デンプ・ホウレンソウ・卵焼きなどと彩りもよく、吸物はシイタケ・ワカメ・アサツキ。それにデザートは半切りのグレープフルーツにピンクのチェリーが載っていました。

20年前には山小屋でチラシ寿司なんて考えられなかったと思います。
手がかかるだけに従業員も増やさなくてはならないし、それが宿泊料金にはねかえるということにもなるでしょう。
ご飯に味噌汁、それにおかずは一品あればいい、100円でも安い方がいいという意見もあるかもしれませんが、何しろ飽食の時代、山小屋といえどもこの程度の食事はちょうど良いかなあと思ったりしています。

こうした傾向は、比較的金銭にゆとりのある中高年登山者が増えたということが一つの要因となっているのかもしれません。