追想の山々1338 up-date 2003.03.25 山岳巡礼のトップへ 山名索引表へ
登山口(8.05)−−−畚岳(8.30)−−−諸桧岳(9.20)−−−畚岳分岐(10.05)−−−登山口(10.20) | ||||
所要時間 2時間15分 | 1日目 ***** | 2日目 ***** | ||
後生掛温泉をすっかり気に入って、3回も湯に浸かってしまった。 とにかく湯量の豊富なのがすばらしい。まるで川の水を流すように、湯が流れている。そこいらのしみったれた温泉とはわけがちがう。 温泉の成分が染み付いたような黒光りする浴室、なにもかもが木造りなのがまたいい。 朝風呂に入り、清々しい気分で畚岳への登山にかかった。 八幡平見返峠から藤七温泉方向へ向かって1キロほど車で走ると、裏岩手縦走路となる畚岳登山口がある。路肩の広がった場所へ駐車して歩き始める。 すでに畚岳へ向かっている人の姿もある。畚岳へは往復1時間もあればいいので、散歩気分で立寄る人も多そうだ。 ゆるやかな稜線をしばらく行くと、諸桧岳方面への分岐となり、この先から山頂までがなかなかの急登である。しかしたいした距離ではない。 登り着いた山頂は三等三角点、視界を遮るものもないピークである。 丘陵のような穏やかな山稜を連ねる八幡平周辺の山の中で、唯一際立った尖がりを見せる鋭鋒で、そのため展望の良さは抜群。しかしあいにくの曇りがちに災いされて、間近の岩手山すら目にすることが出来ない。 諸桧岳分岐まで戻り、次のピーク諸桧岳へ向かう。 なだらかに上下する曲線の稜線を、先ほどの畚岳を振り返りながら足を運ぶ。 アオモリトドマツの林を縫うようにして、ゆるやかな勾配を登ってゆく。 やがてほとんど勾配を感じなくなって、もう山頂だろうと思ってから、平坦な道がそのあと長々とつづく。山頂を通り過ぎてしまったのではないかと疑いたくなる頃、広い笹原に出た。どこかに山頂標識でもないかと見回すものの、それらしい様子はない。 笹原を通り過ぎ、再びアオモリトドマツの中を進むと、ひょっこり山頂の標識が立っていた。 およそ山頂らしくない。単なる登山道の通過点のような山頂で、標識がなければとうてい山頂とは気がつかない。 険阻森、大深岳とつづく裏岩手縦走路の山々が、たおやかな尾根を蛇行させながら南へ向かっているのが明瞭だった。 途中、花は多くはなかったがミヤマアケボノソウやキンロバイなどを目にすることができた。 同じ道を戻り、楽しみにしていた藤七温泉へ直行。 秘湯の会の温泉だけあって、飾り気のないその鄙びた趣が実に好ましい。肌に心地よい風を感じながら、もったいないほどに流れ出す温泉に、なみなみと湯の満たされた露天プロ、しばらこの湯の良さを味わった。 八幡平をあとにして、次の目的地、安家森(あっかもり)へと車を向けた。 |