追想の山々1339  up-date 2003.03.25                                       山岳巡礼のトップへ  山名索引表へ

安家森−あっかもり−(1239m) 登頂日2000.08.02 単独行 曇り
袖山高原登山口(14.10)−−−安家森(14.30)−−−登山口(14.45)
所要時間 0時間35分 1日目 ***** 2日目 *****
牧場につづく安家森

≪雷鳴に追われて駆け足ピストン≫

八幡平をあとにして、次のキャンプ予定地、岩手県葛巻町へ向かう。 途中何回も道を尋ねながら、目的の平庭高原キャンプ場へたどり着いた。
ところがそこにはテントの1張りもなく、何となく陰気な雰囲気が漂っている。どうも一夜を過ごす気がしない。 いっそのこと、明日登る予定の“安家森”登山口付近まで行って見て、その周辺でテントを張れるところを探すことにした。

平庭高原から30分も自動車で走ると、放牧場が山の尾根付近まで広がる袖山高原だった。車道の最高地点には広い駐車場があるし、きれいなトイレもある。水道もある。自動車の通行もたまに見えるだけ。
見渡せば八幡平畚岳も見えるし、周囲は青々とした緑の牧場に、牛が何十頭も草を食むのどかな風景が広がっている。こんな素晴らしいところはない。すっかり気に入った。
看板に「馬淵川源流公園」と記されていた。 この駐車場を一夜の幕営地に決めた。

遠雷の音がだんだと近づいている。 夕暮れにはまだ時間もあるし、明日の予定にしていた安家森を、夕立の来ないうちに登ってしまうことにする。
駐車場から車道を挟んだ向かいに、安家森への登山標識があった。往復1時間も見れば大丈夫だろう。 軽装で出発する。
しばらくブナなどの林の中を行くが、すぐに広い牧場に変り、その先に安家森が姿を現わした。
牧草地の中にかすかな踏跡はついているが、どこを歩いても目の前の山を目指してさえゆけばいい。雨が落ちてきた。急ぎ足を駆け足に変える。
草原を横切ると、山頂へ向けて瓦礫の登りとなる。傘をさし、がらがら崩れる礫岩を蹴ってジョギングで駆け上る。 瓦礫の先の潅木を抜けると一等三角点、安家森山頂だった。
怪しい黒雲が勢いよく流れて行く。 天気がいいと素晴らしい展望が得られる筈なのに残念。再び訪れることのない山頂では、出来たら大展望を楽しませてもらいたかった。 一等三角点を確認し、迫る雷鳴に追われるようにして山頂から駆け下った。
往復35分しかかからなかった。
雨は本降りとなり、雷の音もさらに近く、短い間隔で轟く。
駐車場へ戻るのを待っていたように、天の割れたような猛烈な雨が降り出した。ラジオはこの地方に大雨洪水注意報を報じていた。(そのあとのニュースでは、集中豪雨の被害の様子を伝えていた)

雨の上がるのを待ってテントを設営。 牛たちはあの雨の中をどうしていたのか、何事もなかったように草を食みつづけていた。
晴天で明けた翌朝、駐車場近くの展望台へ上がると、目の前に安家森、遠く八幡平や秋田駒ヶ岳が望まれた。
  
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