追想の山々1340  up-date 2003.03.25                                      山岳巡礼のトップへ  山名索引表へ

峠の神山−とうげのかみやま−(1320m) 登頂日2000.08.03 妻同行 濃霧 岩手県
登山口(10.00)−−−峠の神山(10.25)−−−登山口(10.50)
所要時間 0時間50分 1日目 ***** 2日目 *****
峠の神山々頂

この東北山旅も天候に恵まれて順調に進み、予定した山は残り2山だけとなった。
昨日夕刻の集中豪雨も、幸いこれから通過する道路には、決壊などの被害もなく、次の峠の神山へと向かった。

峠の神山は、岩手県北上山地の中にあって、広大な牧場の中に一等三角点を有する一峰である。 国道34号線から、源兵衛平への標識に従って林道へ入る。舗装された立派な林道だ。
標高が上がって行くと次第に霧が濃くなってきた。濃霧で全容は見渡せないが、広大な牧場地帯であることがうかがえる。
10キロほど林道を走ると、牧場の管理棟らしい建物に人影を見て、峠の神山を教えてもらう。
霧はいよいよ濃く、30メートル先もわからないほどになってきた。車がどこをどう走っているのかさえ見当がつかない。どこが山で、どこが牧場で、どっちの方角へ向かっているのか、頭の中も混乱状態。羅針盤のない船で濃霧の海を漂っているようなものだ。
放牧牛の検疫に集まった農家の集団に出合い、峠の神山を尋ねたがどうも納得行くような答えが得られない。
やむなく先ほどの牧場管理棟へ戻って、再度詳しく教えてもらう羽目になった。
幸いに、霧が少し薄くなって今度は山の姿を目で捉えることができた。おだやかな草地の山だった。
登山口を示すものは何もなく、はじめての者にはわかりにくい。それでも山頂へ向かって、草地の中に一筋のルートが延びていた。 ゆっくりと30分ほど歩くと、あっけなくもう山頂だった。
山頂は大きな岩が占拠 していて、一等三角点は岩陰の窪地にあった。「峠の神山」と彫られた御影石の新しい標石もある。 展望は得られなかったが、予定の一等三角点を踏むことが出来て、ほっとした気分で山頂を辞した。

下山後、和井内の山奥にある安庭鉱泉(あてい)で汗を流し、今夜の宿泊予定地、宮古市へ向かった。
時間があったので、浄土浜の遊覧船で観光を楽しみ、夕食は港町ならではの海鮮料理を期待して、町へ出て地酒を味わいながら、海の幸に舌鼓を打った。
この日も夕刻から内陸では集中豪雨となっていることを報じていた。

  
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