追想の山々1359  

 庚申山(1892m) 登頂日1996.07.06 妻同行
銀山平(6.25)−−−一の鳥居(7.15-7.20)−−−庚申山荘(8.25-8.35)−−−庚申山(9.35-10.00)−−−庚申山荘(10.45-10.50)−−−一の鳥居(11.30-11.35)−−−銀山平(12.15)===国民宿舎入浴===富広美術館
所要時間 5時間25分 足尾山塊 三角点なし
皇海山をのぞむ
妻の富弘美術館へ行ってみたいと言う希望にドッキングして庚申山へ出かけることにした。8年前の皇海山登頂のおりに庚申山を経由しているので、これが2度目ということになる。
3時半東京の自宅を出発。宇都宮ICから日光自動車道へ入る。この道ともすっかり馴染みになっ た。

ゲートの手前に自動車を止める。一の鳥居までは約1時間の林道歩きだが、自動車の通行はないし、渓谷の新禄を見ながら歩くのも悪くない。林道終点の一の鳥居から登山道となる。手が入り過ぎるほどによく整備されている。刈り払いが終ったばかりで、まだ青々とした笹が道に散らかっていた。
今日は風が強い。樹木の梢が唸り声をあげている。気温はやや低めで歩くにはちょうどいい。鏡岩とか××岩などという巨岩をいくつか見ながら行 く。途中にはベンチもしつらえられて、まったく気配りのいいことだ。
ほどよい勾配を汗もかかずに登って行くと、ちょっとした広場に出る。ベンチもあっていい休憩場所だが、ポイントの庚申山荘はもう目と鼻の先。とりあえずそこまで足を延ばす。
山荘の背後にはこれから辿る岩稜が聳立している。しばらく待ったが妻がなかなか到着しない。山荘の方へ来ずに、そのまま庚申山のコースを行ってしまった。追いかけて行ってそこで小休止にする。
早くも下って来る登山者もいる。山は早い時間に登れば、それだけ良い展望に恵まれる。朝早過ぎるということはない。この青空も我々が山頂へ着くまで待ってくれるかどうか。
覆いかぶさるような巨岩の下を通って岩場にさしかかる。要所要所には鉄梯子やロープが取りつけられて安全を確保しているので心配はない。一気に高度を稼いで尾根上に出ると、後はなだらかな登りとなって一息つける。樹相はコメツガ林に変わり、どことなく高山の雰囲気も漂う。もう山頂は間近い。

コメツガの原生林を登り詰めたところが庚申山の山頂だった。山頂からはコメツガの梢越しに、袈裟丸山の稜線が辛うして望めるだけで 展望には恵まれない。先へ200メートルほど行った所で樹林が途切れて展望が開けた。
目の前に凹凸の背稜を見せる鋸岳、そして懐かしい皇海山がきれいな三角錐で黒々とたたずんでいる。その左手には袈裟丸山が長い稜線を連ねる。皇海山と袈裟丸山との鞍部はるかに赤城山と残雪の志賀の山々。そして奥白根山から日光の山々。

展望を楽しみ、一休みしてから山頂をあとにした。
下山後足尾温泉の国民宿舎で入浴、富広美術館に立寄ってから帰路についた。