トムといっしょ5.10a★にトライするきのこ仙人
秋といえば食欲の秋。そしてスポーツの秋。
仲間うちでは、数年前から、秋といえば、「きのこ狩り」&「ロック・クライミング」だ。 名づけて「きのこキャンプ」が、定番行事となっている。
場所は、アソコです。当然ないしょ。日本のヨセミテ渓谷といえばすぐわかっちゃうかな? テントサイト周辺のいたるところに、キノコがぴょこぴょこ生えているし、 ちょっと廻りに目をやれば、キノコの形に似た奇岩もにょきにょきそそり立っている。 ヨセミテというよりもカッパドキアの方がしっくりくるかも。
岩場へクライミングしにいく途中には、木々の植生や、 高度、地形によって、その場所に適したきのこ達が、こんにちはー! していて、僕らの目を楽しませてくれる。
昨年は、恒例の「きのこキャンプ」が、なぜか行われなかったので、 すっかり腐れ縁になってしまったウダウダ隊のイチ総裁から、
「たいちょお、今年は、きのこキャンプやってよ。ねえ、やろうよー」
とのラブコールがかかった。
オラオラ隊屈指のインテリ?ジャンボからも友人をつれてキャンプに参加しますよ! との申し出もあり、難関の奥様のハードルをするりとかわして、開催決定! 友人知人に案内のメールをばら撒くと、個性豊かな面々が名乗りを上げてくれた。
現役アルパインクライマーで、永遠のやんちゃ坊主、KM兄。
(KM兄の最近の山行記録
:谷川岳3月、
剱岳5月、
富士山6月)
きのことクライミングとオートバイをこよなく愛する、きのこ仙人。
山登りとテレマークスキーが大好きなフライフィッシャー(アングラー)、ブラックたはら。
小学校6年生になってすっかり綺麗になってしまったたはら家のカズ。
オイラの長女、おてんば盛りのミースケ。
我が家の奥様と、オーストラリアのバイク旅を通じての友人でもあるクロさん&みちよ夫妻も、 自然の岩壁に触ってみたいと参加表明してくれた。
けっこう大所帯になってきたぞ。
金曜の夜に集まって、東京から夜通し中央道を走ったKM兄、イチ、オイラ(たいちょお)、ミースケの4人は、深夜(早朝?)のキャンプ場で場所取り大作戦を敢行。 いつもの場所にテント村をつくりあげてから、就寝した。
木々の匂いと、さわやかな風が気持ちいい朝がきた。 起きだしてきたイチが、ハンモックに揺られながら読書に入る。
じっとしていられないヤンチャクレのKM兄とミースケとオイラの3人は、 きのこ生育調査がてらカモシカ遊歩道へ散策に出かけた。
カモシカ遊歩道のあずま屋にて、ごきげんKM兄
クリタケやハナイグチ、キンチャヤマイグチなどの食べられるきのこが出ていたので、 早速、山からおすそ分けをいただく。
採ってきたキノコを並べてはいポーズ
テントサイトに戻ると、丁度、クロさん夫妻が到着したところだった。 夫妻の素晴らしいキャンプ装備のおかげで、貧民ジベタ生活から、大名キャンプに大変身。 すると、きのこ仙人が颯爽と登場して、のんびりしていたみんなをクライミングへいざなってくれる。
ロープをぶら下げて岩場へ向かう途中で、車で林道を上がってきたジャンボたちに出くわした。 ん?車の中をのぞくと美女が2人もいるではないか!想像外の出来事に、思わず嬉しくなる。 こういうハプニングなら、大歓迎だ。 すっかり、すけべオヤジ化したオイラは、後ろ髪をひかれつつも、 クライミング・ツアーご一行を追いかけて、川を渡河した。
ここから先のクライミングに関しては、「きのこ仙人」の文章をご鑑賞ください。 (一部修正してまーす) なお、OS(オン・サイト),RP(レッド・ポイント),TR(トップ・ロープ)などクライミング用語に関しては、摂web参照。
*********きのこ仙人のクライミング記録(前編)******
○リバーサイド
・ブラックシープ 5.9+
RP:たいちょお、きのこ仙人 2テン:KM兄 TR:クロさん&みちよさん(下部敗退)
まず取り付きに工夫が要ります。左を使えば簡単。直上は10a。逆層だが掛かりの良い カチをすらすらと登り、第一核心の右上するフレークラインへ。リーチがあればフレークを手で 押さえて行けますが普通はフレークに載ってじわじわと右上。突き当たりで左へのトラバースに。 これもステミングしてのバランスが微妙。核心の羊の角は思い切りが必要です。妥当なグレー ディリングかな。
・アウトオブバランス 5.9
OS:きのこ仙人、KM兄 TR:たいちょお(完登)、クロさん(終点へ到達)、みちよさん(半分?)
上記とわずか半グレードしか違わないのにこの快適さは何?左側のクラックを最大限に使って さくさく登ります。お買い得です。
・マダムバタフライ 5.10b
TR:きのこ仙人
アウトオブバランスすぐ右のルートで、当然クラックは使えません。いかにも10bのスラブという感じです。 正対しての立ちこみだけでは登れません。体を横にして最大摩擦を活かしながら体をずり上げる テクが必要です。TRだと怖さはないけど、リードではスラブで横向きに落ちる恐怖と戦う度胸が 必要?
○ビクター(ボルダー)
・8級 全員クリア
・コンケーブ KM兄のみクリア
KM兄お得意の3級です。ムーブ的には11b/cだからねえ、難しいよねえ、体が柔らかいと 楽だよねえ、ブツブツ・・・
*****きのこ仙人レポート(前編・終)******************
すっかり暗くなるまで遊びまくって、ヘトヘトになってテン場に戻ったら、 美味しいグリーンカレーの香りが漂っているではないか!
イチ、ありがとう。
さらに、バクテー(沖縄のラフテーね)まで登場。 すきっ腹にビールで、いっきにハイテンション。旨いツマミに舌鼓。 きのこ仙人作のキノコ鍋が絶品。おいしー。おいしー。しあわせだー。
きのこ大好きのリツコさんも登場して、イチと楽しそうに話している。 ジャンボがつれてきたテニス仲間の美女2名(アンジェラ姫&ハッシー)と山男のタイホーも 宴会に加わって楽しいウタゲとあいなった。 到着して付近から、きのこを採ってきたようで、楽しそうだ。
大人数の宴会は、あちこちに脱線しまくりで面白い。 隣で宴会していたビックファット・ママの好意で、焚き火プレイスを受け継ぎ、 キャンプファイアの宴会に。寒い高原での焚き火は素敵だ。
映画ばなしで盛り上がってすっかり暴走ぎみのオイラやKM兄は、 トイレにやってきたオジサンに、「うるさい!」と子供みたいに怒られ反省して寝ることに。 メタボ街道まっしぐらのイチは、ラーメン、ラーメンといいながら、夜更かしと夜食食いをした模様。
2日目の朝、ブラックたはら&カズ父娘が、葡萄をワンサカもって登場した。 ありがとー、武道家、じゃない葡萄農家出身のマキ奥サマ! 巨峰やマスカット、そしてコンコードにうなっていたら、
「はやく登ろうぜー」
っと、きのこ仙人が8時丁度に金峰山荘から出勤して来た。
本日は日本百名山の金峰山へ登るというジャンボたち4名と分かれて出発。
昨日の生徒にブラックたはらが加わった一行は、きのこ仙人とKM兄という スパルタ先生に引率されて、本日もクライミングへ出撃するのであった。 八幡沢には、綺麗なハナイグチが生えていて思わずニッコリ。
それでは、後半のクライム・オンも、きのこ仙人の華麗な筆致を堪能ください。
*********きのこ仙人クライミング記録(後編)******
○八幡沢左岸スラブ
・夢のハムステーキ 5.9
TR:たいちょお(2テン)、KM兄(3テン)、ブラックたはら(??テン)、 クロさん夫妻(下部敗退)、きのこ仙人(完登)
核心の2本目のボルトが抜けているのキノコが回り込んでTRセット。登ってみればTRでよかったあ! 9のスラブにはあるまじき”しょっぱさ”です。10aはあるでしょうし、ボルトがない状態でのリードは やるべきではないでしょう、フンフン。
・無名(ロリータ・リツコ?) 多分5.9+
TR:全員
上記の左上部から垂直のガバルートが下に見えたので早速、TRをセットして懸垂で取り付き。 出だしは階段状のガバとカチで楽勝、中間部は右カンテを最大限に使ってレイバック(KM兄方式) 左カチを押さえて足を上げてダイアゴナル(たいちょお方式)のどちらでも好みで選べます。
・トムといっしょ 5.10a
2テン:きのこ仙人 TR:ブラックたはら(到達)、クロさん夫妻(半分まで)ナイストライ! KM兄(完登)
川原に張り出した一枚岩の被りルート。出だしは右から慎重に1本目のクリップに入ります。 クリップしたら正面に出てカチで垂壁を登り2本目クリップ。右のガバをつないでそのまま薄いテラスに 入ります。その先が核心の最大傾斜、思い切り良く上にある(はずの)ガバに手を伸ばして、取って しまえば、後は腕力で体を引き上げて突破。最後はガバガバの風化花崗岩の突起をつかんで 抜ければ終了。グレード的にはお買い得ではありませんが、とにかく面白いルート。☆一つというのは 小川山にしては短いせいでしょう。登り得です。おすすめ!
・ブラック&ホワイト 5.10c
ブラックゾーンから難所のホワイトへ向かう仙人
TR:たいちょお、きのこ仙人、ブラックたはら、KM兄
見るからに悪そうなスラブです。名前のとおり黒い部分で登りはじめ、白いスラブの中間核心に 突入します。1本目のボルトから2本目のボルトまでの距離が超コワー!というわけで、 まずはKM兄が左から回り込んで2回の懸垂可能でTRセット。ありがとさんです! たいちょおがトライ。出だしを左のフレークに求めて2m上がり左の指先で耐えた状態で、一杯に 右手を伸ばしてカチをとるのが苦しそう!慎重に右に体重を移動させ中央のやや左上するフレーク を取ったらイケイケでマントルで体重を上げフレーク上にバランスで立ってやっと2本目のボルトに手が 届きます。ここからが核心。手も足も見た感じ何もありませんし、摩擦だけで足を上げていくには 傾斜があります。これぞ10cのスラブですねえ。たいちょおはどうやって抜けたんだっけ?
どうやって超えたんだっけ?ミシンを踏むオイラ
そのあとは 左側の王核のくぼみに突っ張りながら体を上げていけば終了点まで後一歩。ここでまた、スラブの 試練が待ってます。核心を抜けれれば大丈夫なんでしょうが、リードだったら精神力が必要な 部分でしょう。グレードは10c/dかなあ!?
*********きのこ仙人クライミング記録(後編・完)******
最終日は雨の中へ、キノコ狩りに、繰り出して☆☆☆のヤマドリタケモドキとシャカシメジをゲットして しまった我らがきのこ仙人の楽しいレポートでした。
さて、2日目のクライミングを終えて、KM兄たちと南相木にある滝見の湯(温泉)に浸かってマッタリしている間に、 別荘へと移動するススムたちと入れ違ってしまった。
金峰山登山隊は、雨にやられる前に下山できたとのこと。登山も楽しかったようだ。ヨカッタネ。 美味しいコンコードワインと、梨の差し入れ(忘れ物?)ありがとー。 電池が切れたイチの携帯電話では、連絡もできず、、、ありがたくいただいてしまった。
2晩目のメニューは、シェフ・イチのつくったイチゴ煮。
アワビとウニの炊き込みご飯だ。うめーうめー。てげー、うめー。 本当ならば、アングラー、ブラックたはらの釣った岩魚が加わるハズだったが
「釣れたのはリリースサイズだったんだよー、ちくしょー」
塩焼きサイズは手元でバレたそうな。
(半信半疑のクロさんの疑惑解消と、ブラックたはらの名誉のために、8月同じ場所での釣果を添付しておこう)
雨の中、戦争や宗教まで、ディープでグローバルな話題となった。 みちよさんの世界観と、クロさんのアメリカンジョークには、ちょっとうなってしまった。 が、クライミング2日間と睡眠不足、酔いもてつだって、早めに就寝してしまう。
最終日も、ぐわんぐわん、ブランコ化したハンモックで遊ぶ、ミースケとカズを横目に パッキングを済まし、渋滞前に、桃源郷のカッパドキアを後にしたのであった。
あー、楽しかった。 みんな、ほんとうに、ありがとー。 また、あそぼーネ。 た。