海外ツーリングを計画しているパドラーのための報告書

マレー川編(オーストラリア)

<1> 期間

2000.2.28〜3.23

私は大学生最後の長期休暇を、のんびりとできる人力での旅に費やそうと思いました。今までにも、東海道徒歩の旅や、オーストラリアチャリ縦断の旅、インドシナチャリ一周の旅などをしてきましたが、今回は、違ったフィールド、川に目を向けてみました。国内で熊野川や長良川、吉野川などでのラフティングの経験はありましたが、カヌーはほとんど初めてでした。

<2> 場所

The Murray river

New south wales 州・albury〜Victoria州・Echuca

時期的に、北半球でのカヌーツーリングは不可能に近いので、南半球に目を向けました。二年前にチャリダーとしてオーストラリアに行った時に、マレー川をオーストラリア人に勧められたことを思いだし、そのへんの川を調べようと思いました。murrayの他にdarlingやmurrumbidgeeやlachlanなどです。カヌーショップのつて、他大学探検部のつて、インターネットなど、いろいろあたりましたが、国内での有力な情報は、キブカワさんのページ(http://www02.u-page.so-net.ne.jp/ga2/euphoria/murray.htm)のみでした。私の英語力がつたないこともあって、オーストラリアのYAHOOで調べてみても有力な情報は見つからず、送ったメールの期待に添うものはそんなにありませんでした。ただマレー川以外の川は水量が少なく流れもない事は分かりました。途中に計画が中止になり準備時間がなくなりましたが、前のオーストラリアでの経験から、入国後にも情報を集めることが可能との判断から出国しました。しかし、日本でもっと現地の団体等に連絡を取るべきだったと思います。

<3> 費用

1.出発前準備費

航空券+ETAS+メルボルン空港税購入費 約7万円

カヌー関係購入費 約10万円

雑費 約1万円

これまでの自転車ツーリングでの装備があるので、今回準備のために買ったものは、中古で買ったタンデムファルトカヌーQG2一式ぐらいでした。

2.出発後旅行費

オーストラリア23日間の費用 A$401 A$18/日

 最初の一週間迄の費用 A$230 A$33/日

 最初の二週間迄の費用              A$308 A$22/日

食料等の買い出しを除いた費用でA$10を越えたものは、バスでの移動費とバックパッカーズでの宿泊費だけでした。移動費は、往路Melboulne~AlburyがA$24、復路Echuca~Melboulne AirportがA$26.9でした。宿泊費は、下記参照。

<4> 行程

左から順に、日付、宿泊地、宿泊費、前日の睡眠地からの距離

2/28 機中泊

29 Melboune A$15(ドミトリー)

3/ 1 Albury A$15(ドミトリー)

2 Albury A$15(ドミトリー) 

3 約10km

4 20

5 Howlong 30

6 10

7 Corowa 30

   8 10

   9 30

  10 0

  11 30

  12 Yarrawonga A$14(caravan park tent site) 20

  13 Yarrawonga A$9(caravan park tent site) 0

  14 Yarrawonga A$9(caravan park tent site)  0

  15 正32km

  16 Cobram 38

  17 (Tocumwal通過)  40

  18 40

  19 Picnic Point A$5(caravan park tent site) 46

  20 (Barmah通過) 40

  21 Echuca A$7(caravan park tent site)   38

  22 機中泊

註:A$1=70円(2000年3月現在)

川岸の木には河口からの距離を示す青地に白の看板が約2〜6キロごとに打ち付けられています。私はなぜかその数字がカーブの番号だと勘違いしていたため、Yarrawongaまでは正確な距離を測ることができませんでした。

この行程の中で、注意しなければならないは、Yarrawongaのweir、ダムだけです。川の水を堰き止めているわけですから、カヌーはそのまま下ることはできません。ダムのすぐ手前まで行き、左岸に上陸すると、線路があります。その線路を南西に沿って百メートルほど歩くと踏切があります。右折し車道を歩くとすぐキャラバンパークがあるので、受付で今夜そこで止まることと併せて事情を話せば、ダムの下流になるキャラバンパークのキャンピングサイトまで、荷台付きの車でカヌーごとポーテージしてくれます。

私の印象では、Lake Mulwalaの手前から、次第に川の流れが緩やかになり時速2キロ以下になりました。マレー川全般に流れが緩やかなため、元々が茶褐色の水の透明度も落ちていき、Cobram以降からは川岸の砂浜がヘドロ状の粘土に変わっていきました。

マレー川は日本の牧場という概念から外れた壮大な牧場の中を縫うように流れています。

TocumwalからBarmahmaまではその半分程がBarmah State Parkという自然保護区になっているので、川岸でカンガルーが飛び跳ねていたりと大自然気分にさらに浸れます。

<5> 所持品

1.貴重系

貴重品袋*2(腹巻タイプ、首掛タイプ)

パスポート・ETAS・航空券

現金(1万*1,$1*7,$10*10)

トラベラーズチェック($20*16,A$100*2,A$50*10)

住友VISAカード

国際学生証

2.ツーリング系

カヌー(フジタQG2)・パドル・ライフジャケット

カヌーザック・ドライバッグ

地図・ガイドブック(歩き方・ロンプラ)のコピー・コンパス

3.医薬系

総合感冒薬・抗生物質

解熱・鎮痛薬(イヴA錠)・下痢止め(征露丸)

外傷治療剤(オロナインH軟膏)・化膿止め軟膏(アイロタシン軟膏)

消毒液(イソジン)・抗生物質入り目薬

医薬品虫よけ(ムシペールα)・かゆみ及び筋肉痛鎮静(きんかん)

バンドエイド・滅菌ガーゼ

日焼け止めクリーム

4.衣服系(それぞれ一着ずつ)

Tシャツ・長Tシャツ

ジーパン・襟付きボタンシャツ(身なりをこぎれいに見せたいとき重宝)

ウインドブレーカー兼レインコート

ジャージ上・半ジャージ下

下着・靴下・帽子・水着・靴・ツーリング用グローブ

5.生活系

テント・シュラフ・シュラフマット・ヘッドランプ

ガソリン火器MSR+ボトル・コッヘル・フォーク

アーミーナイフ・ライター・カラビナ・ストラップ*3

腕時計・目覚まし時計

コンタクトセット・眼鏡・サングラス・歯ブラシセット

大型ゴミ袋・ビニール袋・ジップロック(それぞれ防水用)・タオル

英会話集・文庫本・辞書・ウォークマン・カセットテープ・乾電池・星座盤

ペン・のり・はさみ・電卓・記録用ノート・アドレス帳・裁縫道具・安全ピン・爪切り

写るんです40・証明写真・スナップ写真

デイバック(町歩き、観光用)

その他、足りないものは現地で買い足すことができます。但し、ツーリング中は3〜4日に1度位しか町に出て来れないので、計画的な買い出しが必要です。

日本では、ツーリングに適した地図はおそらく手に入らないでしょう。私は、[Pioneer Design Studio Pty Ltd]社の[Touring MURRAY RIVER COUNTRY]と、[Maureen Wright]著の[River Murray Charts]という本を、356 collins street melbourne 3000のInformation Victoriaという観光局の本屋のような所でそれぞれを、A$8とA$15.95で買いました。後者の地図はYarrawongaから下流がかなり詳細に記されています。キブカワさんによると、[River of Island]というYarrawongaより上流の詳細な地図が存在するらしいのですが、見つけることができませんでした。

火器についてですが、ホワイトガソリン・ブタンガスカートリッジ共に入手困難ですので、レギュラーガソリン対応の火器を持っていくことをおすすめします。但し、ガソリンスタンドに火器のボトルを持っていっても、危険だと言って売ってくれないこともあります。私の場合、MSRを通販の個人輸入で買ったため説明書が英語表記で、それを見せて売ってもらいました。

以上

関西学院大学探検会 松田谷聡
matsutaya@yahoo.co.jp