車を降りた4人の仲間が、バラバラに散る。
足取りは重い。
みんなが、みんな一人になりたかったのだろう。
朝から夕方まで、埃とガレキ、粉じんや泥にまみれて、
協力してきた仲間たちだ。
2人は今回出会ってできた友人だけど、
気持ちがは痛いほどわかった。
宮城県石巻市。
東松島市の東名で、津波被災家庭の倒壊した家の
お手伝いの後、無理をいって、乗合車のドライバーの
棟梁に、埃と汗まみれの体のまま、乗せてきてもらったのだ。
目の前の光景に声が出ない。
海から振り返ると、恐らく津波が押し寄せた時に、 地域の人たちが避難したであろう高台に神社が見えたので、 登ってみた。
葉桜の桜吹雪越しに、見下ろした石巻の惨状に、涙が あふれてきた。
やはり、体感してみないと、本当のことはわからない。
来てよかった。ほんとうに。
「行けばわかるさ。まよわず行けよ」
答えや、なすべきことは、はっきりわかっていたのに、 今までの僕は、その一歩を踏み出せなかった。
家族を置いてはいけない。
仕事がある。
ガソリンがない。
車でいくと作業に迷惑だ。
県外からのボランティアの受け入れは難しい。
GW中は個人で被災地に行くのは控えた方がいい。
交通費を義援金にしたほうがいい。
惨状を見に行くのは、ヤジ馬ではないか。
福島原発事故の放射能。。。
出来ない理由は山のようにあげられる。
そう、すべてが言い訳だった。
震災から後、何もやる気がでなかった。 海山川に繰り出す気持ちにもなれない。
相当、心が弱っていたのだと思う。 TV、新聞、you-tube、 メディアから流れる被災地の情報から目を そむけていたのだ。
本当の僕は、ヘタレの臆病者だった。 勇気が湧いてこなかった。
足がすくんでいた僕の背中を押してくれたのが、 川ガキカメラマンの村山嘉昭さんの声だった。
「いろいろあるけど、やはり、ここに来るべきだと思うよ。
モンベルがやっているアウトドア義援隊なら、
テント持参で、自分で自活できるし、自由にうごける。
水道、トイレはあるし、車も停められる。
来た人たちは、全員ボランティアに受け入れているよ。
人では全然足りない。大丈夫。やることはあるよー」
これで行かなけりゃ、本当の意気地なしだ。
ボランティア活動を、発信するのは、偽善ではないのか。 いろいろな事情で、やりたくてもできない人を 責めているようにとられないか。
だけど、あえて、発信しようと思う。 マスメディアにふりまわされない生の情報が、 僕のように欲しいと思ったので。
長文になりそうなんで、日記形式にして、発信します。 興味のある人はお付き合いください。