大雨の中で


東松島は夜半に大雨に見舞われた。大雨警報が発令。 テントをたたく雨音と、浸水してきた雨水で目が覚めた。

草地のキャンプスペースは見事に水没し、 あちらこちらで大きな水溜りができていた。

本日は、モンベル・フレンドフェア in  仙台の仕事に きていたモンベルの皆様が主体で作業にあたる。

隊長は「南極さん」こと岩野さん。 仙台店の長谷川さん、大阪本社から、島添さんも参加。

川村さんご夫妻、中山さん、八木さんほか、18名が本日の人員だ。 気合の入った雨ということで、まず、KKさん宅の屋内作業を、 全員で実施してから、OGさんの家の泥だしをすることになった。

公共機関やレンタカーできているメンバーが多く、 キャンプ場所から作業する東名、野蒜地区へ移動する車が足りない。

KKさんにも、ピックアップをお願いするとふたつ返事で迎えに きてくださった。

廊下と、台所の床板剥がしと、ヘドロの除去が本日の仕事。 今日が初めてという人も多く、屋内での注意事項を説明し、 KYKトレーニングも実施。 指差し呼称をしてから、作業についた。

バールを使った床板ハガシに初めてチャレンジする人をみると、 自分が床板剥がしをした時を思い出して、熱くなってしまった。

あの時は、NKじいちゃん家の床板を一心不乱に剥がしたっけ。  村山ヒロシさんや、山口棟梁の手際のよさに感心し、  逆に 自分の作業効率との悪さに愕然としたものだ。 がんばれよ。みんな。

アフロこと、小形さんの手際がいい。 相棒のまっちゃんこと、松永さんも今回、初めての床板はがしに がんばって挑戦。 床剥がし名人で、センセイ役の島添さんもいらしたので、 ここはまかせて、 オイラは、道具の割りふりや、仕事の指示など、 全体の調整役を勤めた。

女性陣には、梁や壁に残った釘抜き、  剥がし終えた板材の搬出、床下のヘドロかきをお願いする。

アフロが変な雄叫びをあげた。 残った釘の上に座ってしまったらしい。 嫌がる?女性に変わってアフロの尻を確認したが、 厚手のツナギのおかげで、怪我には至ってなかった。 よかったよかった。

怪我で多いのが、床板を剥がしたときに残る釘の踏み抜き。 長靴だと貫通しやすいので、地下足袋の中に敷く金属製の中敷が必要だ。

水がたまっていなければ、ビブラム底のトレッキングシューズで十分。 逆にドロドロの外作業は長靴が便利だ。

そして、粉塵。舞い上がる粉塵が目にはいると大変痛い。 ゴーグルは必携だ。 安全担当の島添さんがGWに身をもってみんなに知らせてくれた。 ご本人からは、病院のチェックも兼ねていたとの伝。

マスクをすると曇るので、いろいろ工夫が必要となる。 メガネタイプが良いようにも思えるが。。。

やっぱり防塵マスクは必要だ。粉塵で喉がやられてしまう。 一般的な日本家屋には、アスベストは基本的に使われていないが、 断熱材のロックウールはガラス繊維だから肺に吸い込むのは危険だ。 GW作業したモンベルのみなさんは、全員一ヶ月近く咳が止まらなかったらしい。

暑くて汗だくになるので、半そでで作業すると肌についたロックウール の細かな繊維がチクチクして痛い。 暑いけど、長袖がいい。安全第一だ。

電気がきていなかったり、電源を落として作業することも多い ので、 こちらは山用のLEDライトも活躍する。

そして、一番の必要アイテムは、皮手袋だろう。 釘やガラス片などの危険から守ってくれる。 慣れないハンマ−で手を打つことがあったが、皮手のおかげで、 何度助かったことか。

僕は好んで高所作業をしたので、ブラックダイアモンドの クライミングメットが役に立った。 けっこう頭もぶつけることがあったしね。 ヘルメットがない人は粉塵が髪につかないように、 バンダナや手ぬぐいを巻いたほうがグッド。

高所の壁壊しにはロックハンマー。バイルでもよかったかも。。

午前中の作業を終え、お昼をKKさんのガレージで食べていたら、 窓の向こうの隣のおばあちゃんと目が合ったので、挨拶した。

するとオイデオイデの手招き。 いかねばナルマイ!遠慮なくお邪魔させていただいた。

お茶や、小松菜のごま油おひたしが美味しい。 お菓子や、バナナ。そして山形のサクランボまでいただいた。

大阪から来ている中山さんや、岩野さんが、おばあちゃんの 実の孫のように仲良くなっている。

津波に襲われた当時のお話を聞かせてもらった。 工務店をやっているご長男は、仕事場から、高台に避難したのち、

おばあちゃんを助けにまたまいもどり、間一髪で、逃げ出したらしい。 業者さんの手がはいった、おばあちゃん宅はきれいで、 壁に残る線がなければ津波の被害にあったとは思えなかった。

壁ももうすぐリフォームするとのこと。 隣のKKさんも、よくもらい風呂をしにくるという。 KKさんもお呼びして、お昼のノンクロン(ゆんたく)タイム。 のんびりのんびり。

午後は隊員をふたつに分けて、半分ほどOGさん宅の泥出しに 廻ってもらった。2時過ぎにKKさん宅の作業が終了。

別れ際、KKさんの朴訥な感謝の表現にウルルしながら、 雨の中、OGさん宅の泥だし作業チームに合流した。

一番奥の敷地の建物の中は、まだ被災したままの姿だった。 燃えるモノと燃えないモノに廃棄物をわけて、ガレ場へネコ (一輪車)で運ぶ。 海水を吸った畳の重いこと。

1時間ほど作業をしたろうか。本日の作業を終了することにした。 OGさんの娘さんたちが、お手伝いしたアウトドア義援隊員を、 もてなすために、BBQパーティを計画中だという。

「インターネットだか、ツイッターだとかで、検索してな。 ミッションBBQでわかるハズだから」

OGおじさんの言葉。よーし。 それに併せて戻ってこなくちゃね!

定番のパレス松島へこの日も出撃。 温泉で仲間たちとわかれて、千葉への帰路についた。

さらば、トモよ。

同じ房総半島から、Cafeを営むガラス工芸家のアイちゃんも ピースボートのボランティアで、石巻にはいっている。 作業を終了して、雨の、宿への送迎バス待ちしているようだ。 寒い〜。。。。とのメール。 すまん、こちらは、もう天国になっているというのに!

団体行動らしかったので、会いに行くのはやめて、 GWからの宿題でもある仙台の国分町を目指した。

経済復興に貢献だー。。。といっても飲めないので、 晩御飯だけだけど。 呼び込みのオネイさんの笑顔に引かれて、 入ったお店はイイカンジ。 楽しく美味しい晩御飯になったけど、ちょっと高めだー。

やっぱりボラレた?! で、無事ミッション達成の千葉ミツバチ号チームは みちのく東北道を南下し、12時ころに自宅に到着したのであった。

こんどは、お酒のみに、国分町にいくぞ〜。 夜の蝶に溺れるんだい!(ラストがそれかい!)

多謝:アウトドア義援隊
株式会社モンベル
小学館ビックコミックスピリッツ
株式会社 旭工務店