■ 安藤忠雄建築巡り

安藤忠雄さんに好感を強く抱くきっかけとなったのは大学1回生の時に、京都市立芸術大学 の文化祭に講演会に来られたときのお話を聞いてからです。

それまでも、京都四条にある「タイムズ」や80年代に流行したコンクリート打ちっぱなしの カフェバーやコムデギャルソンの服に似合う建物っていうようなイメージがあったりしたのですが。。。
勝手に抱いていた「スノッブ」なイメージとは対極(?)なような、とっても親しみを 感じるイイ意味での「関西のおっちゃん」風なお人柄なのでした。

でも、話の内容や経歴などは、「パワー」の塊。情熱の鬼のような方で、確か2時間弱くらい あった講演会の話にどんどん吸い込まれるように聞き入ってしまったのです。
それからは、安藤氏の建築の本などをみたり、テレビ出演されている番組を見たりとしていても、 そのときとかわらぬパワーを保ちつづけている人です。

周りの人を巻き込み、「そんなんむちゃやん。。。」と思われることも情熱で突き進んで行ってやり遂げていくパワーは 先天的な才能とでもいうべきものなのでしょう。 あと、やっぱり人間性のすばらしい人なのだと思います。 周りの人の意識を、「この人と一緒にやり遂げよう。やり遂げたい。」という気にさせてしまうオーラを持った人なのだと思います。
一度でいいから、仕事のお手伝いをしてみたいものです。

有名な建築家といえば、それまでわたしは勝手に「スノッブで学閥主義的な世界の人」と思いこんで いたのですが、安藤氏は建築を独学で習得し、今では日本国内のアカデミズムの最高峰である東大の教授を されているのだから、尊敬の念をいだかずにはいられないのです。

そんなこんなで、なんとはなく赤い糸でひきつけられるかのように、安藤氏の設計した建築を見てまわることが 趣味のようになってしまっています。よって、安藤忠雄建築を巡った軌跡を綴っておこうと思いました。

安藤氏が書かれた本もほとんど読みましたが、特におすすめなのは「安藤忠雄 建築を語る」 (東京大学出版会)です。詳しくはわたしのお気に入りの本のなかでも紹介しています。


■ 六甲オリエンタルホテル「風の教会」(神戸市)
結婚式を挙げた記念すべき場所なのでトップに書いてしまいました。
安藤氏がよく使うすりガラスが両サイドの壁として教会入り口までの通路になっています。
強い日差しも、すりガラスを通過するとほんのり明るく通路に光をとりいれるため幻想的な空間を作りあげています。 教会の内部もシンプルで落ち着いた空間になってます。
やはり世の中の安藤ファンのカップルは安藤氏建築の教会で結婚式を挙げたいと思い、 「遠方からも来られる方が結構多いですよ」とホテルの人が言われていました。


■ 「アシャック」(芦屋市)
結婚披露パーティをした場所なので2番目に書いてしまいました。結婚情報誌などにも掲載されているブライダルパーティ専用のスペースです。
1階レストランは貸切のパーティがなければ、通常は一般の方でも食事できます。
私にとっては、挙式が安藤氏の「風の教会」なら、披露パーティも安藤氏で統一するというこだわり(コンセプト?)だったのです。
芦屋川沿いの関西屈指の高級住宅街の一角にあって、元々は某企業の会長さんの邸宅であったそうです。 ため息出ちゃうような。。感じです。「冬は冷えるだろうなぁー」と、広い内部、1階から2階へ吹き抜けを 眺めながら、ぼーっと思っていました。 でもきっと、床暖房あるだろうし、コンクリートなので実は熱を外に逃がさないのでしょうか???光熱費をケチケチと節約するような 雰囲気でもないので、いらぬ心配をしてしまったような。。。と、一人ぶつぶつ思っていたのでした。


■ 「光の教会」 (茨木市)
大阪府茨木市内にある教会です。安藤氏の建築した教会といえば、まずこちらが本などで紹介されていることが多いです。
前面壁が十字を切り取られていて、そこから差し込む光によって 逆光でみる神父さんのありがたいお話を聞くことになります。それが、後光がさしているかのような 神秘的な空気をつくりだす空間です。見学などに際しては予約や日程が決められているので事前に確認してマナー良く 守るようにしましょう。


■ 兵庫県立こどもの館 (姫路市)
大型児童館なので、公的施設として一般に開放されています。
小高い丘に流れる水路があり、少し離れたところに工作館もありました。
晴れた日には芝生でのんびりと子供を連れて、お弁当もって楽しめそうなところです。


■ 姫路文学館 (姫路市)
和辻哲郎ほか姫路市出身の文学者の資料を展示する博物館。
屋外から姫路城が見えた。また、人口川を流してあり、やはり水の流れと安藤氏の建築は これまた切っても切り離せないものなのです。。


■ 真言宗本福寺本御堂(兵庫県津名郡)
楕円形の屋根には水をはり、蓮が浮かんでいる。まさしく、仏教の世界。
階段で下に下りていくと、そこに本堂があり、内部は朱色の木柱が構造をなしていて、安藤氏の コンクリートの壁と違和感をいだくものの、蓮池の下の世界は俗世を離れた彼方の世界のように ひんやりとしていて、独特の存在感をかもしだしていました。


■ 直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム(香川県)
国内で大好きな美術館の一つ。なんといっても、スロープから見るステラの作品や、 ロングの作品が良い。初めて行ったときに、そのスロープからの空間に鳥肌がたつくらいに 居心地の良さを感じました。
また、ホテルも同じ建物内にあるのですが、無人ケーブルで少しあがったところにある アネックスがとても良かったのです。なんといっても、楕円の人口池の周りに部屋を配置してあり、 壁が水色。そして、吹き抜けの空も楕円に切り取られて真っ青。という、涼しげな気持ちよさ のあるホテルでした。各部屋には、現代美術の作品が飾られてあります。
ホームページ上で部屋の内部が写真で紹介されているので、好きな作家の作品の部屋を 選んで予約すると喜び倍増しますよ。
食事は階下のレストランで食べるのですが、バスキアなどの作品のすぐそばで鍋料理を 食したりできるのは、贅沢な喜びです。


■ 大阪府立近つ飛鳥博物館(南河内郡)
真正面の階段から見上げた建物はとても雄大でした。


■ ギャラリー小さい芽(西宮市)
阪神大震災で倒壊した家屋を建てなおしてギャラリーにしている。
そこのオーナーがとても感じの良い方で、とても居心地の良いアットホームなギャラリーです。


■ 赤い帽子 織田廣喜ミュージアム(滋賀県蒲生郡)
滋賀県の農業公園ブルーメの丘の中にあり、画家 織田廣喜の作品を収蔵する美術館。
自然とともに生きたという画家の生き方のような、自然光のみを採光としている。 よって、閉館は日没なのである。そのコンセプトがとても面白いと感じました。
ブルーメの丘自体を目的として来られているファミリー、カップルなどたくさんの人で園内は賑わっていました。 パンの手作り体験なども出来るコーナーなどもあるよう。動物との触れ合いのコーナーなどもあって、子連れで楽しめる場所でした。


■ アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡)
山崎山荘美術館のアネックスとして建てられたモネの睡蓮の作品やジャコメッティなどの作品も常設されている。
本福寺のように、階段を降りていくと楕円形の内部に、モネの睡蓮の作品が飾られている。 それは、パリのオランジェリー美術館地下のモネの睡蓮大作が置いてある部屋をこじんまりとさせたような感じ。
やはり、モネの睡蓮には楕円形の美術館が似合うのだろうか?


■ 西宮貝類館(西宮市)
通路がこれまたすりガラスで、ぼわっとした光をとりこんだ明るい通路を歩いて
貝類館があります。建物自体はこじんまりとしていますが、中に収められている貝の
コレクションの種類、数には圧倒されます。貝って見れば見るほどに不思議な形をしています。 自然のフラクタルな世界を感じてしまうのでした。


■ 淡路島夢舞台「淡路島プロジェクト」
訪れたのは、昨年(1999年)の夏。まだ、工事中でしたが、今年は淡路花博でかなりの人が訪れたことでしょう。
落ち着いて人の波が去ったころに行ってみようかと思います。
テレビの「情熱大陸」で安藤氏が出演されたときに、ちょうど淡路島プロジェクトの工事途中で、 その状況がドキュメンタリーとして放送されていたのですが、その工事に関わる方皆さんとで記念写真を撮って、 どんなに大きなプロジェクトでも、そこで現場に従事されている工事関係者の人達の一人一人がいるからこそ成り立つのだという思いを 常に持っている姿勢が、やはり安藤氏だなぁと感じました。
私の好きな言葉の一つ。「実るほどにこうべを垂れる稲穂かな」です。やはり周囲の人への感謝や思いやりの念を常に 持ちつづけることがとても大切だと思います。また、苦労してきた人、努力してきた人、人間のできた人ほどそうなのです。


■ 兵庫県立美術館「芸術の館(仮称)」神戸市水際広場
かなり巨大な美術館になりそうである。とても楽しみ。
昨年(1999年)に訪れたときは、これまた工事中でしたが、完成予定の模型を見ているだけでも 幸せな気分でした。
箱(美術館)は良いものになるだろうと確信しているので、中身(所蔵品、展示品)が充実することを願っています。


■ 市立五條文化博物館(奈良県五條市)
閉館時間ぎりぎりに到着してしまったために、外観のみしか見れず。また、次の機会に。


■ 兵庫県木の殿堂(兵庫県見方郡)
木の文化の博物館。
安藤氏にしては珍しく、木を使った建物。内部の天井の高さとすべて木でつくられた 梁と柱は圧巻である。
建物中央に配された噴水のある池を中から眺めるのもなかなか気持ちいい。
また、ハイビジョン映像によるビデオ上映もあり、子連れでも楽しめる。


■ 国際芸術センター青森(青森県)
作家が寝泊りして制作できる工房のある芸術センター。いわゆる「アーティスト・イン・レジデンス」のためのスペース。
自然体系をこわさないように配慮&工夫さらた建築。「見えない建築」だそうです。
鉄などの素材も経年劣化で錆びてきても自然のままの状態で放置しておくそうです。
東日本では数少ない安藤氏建築の一つです。お薦めです!!!東北旅行の際には是非立ち寄ってみてください。


(まだまだあります、to be continued)