冥い夜の帳の中で、男は低く笑いを忍ばせた。 左腕には、先程剣を受けた時の鋭い衝撃が未だに残っている。 右肩の付け根から腕にかけて、鈍く重い痛みが走るのを感じて、視線を落とした。 馴れ親しんだ痛みだと、口元を歪めながら思う。 視線の先、男の右腕は、肩から先が闇に溶けたかのように、そこには無かった。 忍び笑いが圧し殺しきれない哄笑に変わる。 「もう少し待てよ。もう少し。思う存分、切り刻ませてやる……。楽しみだなぁ」