山のエッセイ3003 up-date 2001.02.17 山エッセイ目次へ
これだけ山へ登っているのに、なぜ海外の山へ登らないのですか?と聞かれることがあります。
先日はキリマンジャロへ登って来たという人に会いました。 「すごいですねえ。うらやましいですねえ」 これが私の相槌です。 近頃は外国の山も募集ツアーなどで簡単に行けるようです。 著名山岳誌にもパックツアーの広告が載っていたりします。東南アジア、ヒマラヤ、ヨーロッパ、アフリカ、ニュージランドとバラエティに富んでいます。 すべてはお任せで、あとをついて行けばちゃんと登らせてくれるという寸法です。いって見れば全行程添乗員付きの観光旅行のようなものかもしれません。 絵を描きに行くとか、写真を撮りに行くとか、あるいは観光の延長と割りきったりすれば、それはそれで大いに楽しいと思いますし、またとない貴重な体験になるでしょう。 普通の人は海外の山に憧れても、個人の努力だけではなかなか外国の山へは行けません。 そうした意味ではパックツアーも大変意味のあることだと思います。
2年前に、海外旅行でカナダへ行ったことがあります。バンフでの自由行動日が1日だけありました。あらかじめインターネットで現地の邦人ガイドを探し出し、カナディアンロッキーの「さわり」のような山へ連れていってもらったことがあります。 氷河湖を懐に抱いた山々は、やはり日本にいては味わえないスケールの大きさが目を引き、新鮮な感動を覚えました。 そんなこともあって、素人でも登れる海外の山に、まったく関心が無いわけではありません。機会があればと言う気もあります。 でもただ人のお尻にくっついて行くだけの登山には、いまのところ前向きな気分になれないのです。だからと言って外国語もダメな私は、自力で行くことなど到底考えられないことです。 私はまだ国内に登りたい山が、それこそ山ほどあるのです。 まだ海外の山へ心を動かす余裕はありません。 私の知っている山のグループは、すべてをグループで立案し、毎夏自力で外国へ遠征していますが、そのようなものなら素晴らしいと思います。 海外の山へ行かない言い訳を書きましたが、実は定年退職して時間はたっぷりあります。10日や20日はどうにでもなります。ところが懐具合という厄介な問題があるわけです。さらにもう一つ大事な問題は、発展途上国(ネパールetc.)などでは、人工肛門の処理がうまく出来ないおそれが多分にあります。 負け惜しみを含めて、それやこれや国内の山にこだわっている言い訳を書きました。 まあ半分ほどはあたっていると思います。 |