山のエッセイ3017 up-date 2001.06.18. 山エッセイ目次へ
「登山」・「ハイキング」・「ピクニック」
ふと変な疑問が生じました。 この三つにはどういう違いがあるのだろうかと。 まず国語の辞書を開いてみました。 ▼登山・・・山に登ること。山登り。 ▼ハイキング・・・徒歩旅行や、山野、海浜を歩き回ること。 ▼ピクニック・・・野遊び、遊山、遠足。 (登山は英語で“mountain climbing”と出ていました) 辞書を見ても、その区別はよくわかりません。 敢えて言うなら、登山は山へ登るという行為に限定されますが、ハイキングとピクニックは、野でも海でも、丘でも、山でも、歩き楽しむという幅広い行為、そんなことかもしれません。 私の山へ登る行為はどれに当たるのか、はっきりしません。 そう言えば、昔若い頃は、職場の仲間と丹沢などの近郊の山へ出かけるときは「ハイキングに行く」と言っていました。 山岳雑誌などを見ていると、山登りのサークルは××ハイキングクラブとか、××山岳会はありますが、××登山会といのは目にしません。 私も山の魅力に取りつかれて14年、いつのまにか自分の山登りを「登山」と表現することが多くなっているように思います。 根拠はありませんが、ピクニックはお弁当を持って野原などへ出かけ、楽しく食事をするようなもの。 ハイキングは難度の低い山や山麓を、のんびりとした気分で歩き、登って来るようなもの。登山は遊びごころは小さく、気合を入れて登るようなもの。 なんだかそんな気がしていました。 無意識のうちに、小さな軽い山へ登って来たときは「ハイキングに行ってきた」などと言って区別しているようです。でもその境界はきわめて曖昧です。 もう一つ、「山へ登って来た」のか「山を歩いて来た」のか。 私自身、この使いかたもかなりいい加減です。 好みと言うことでは「山歩き」という方が好きですし、自分の山歩きスタイルに似合っているようにも思います。 長野市の清水さん(故人)が好んで使われた「山岳巡礼」という表現が私は大変好きです。その山岳巡礼は「歩く」というイメージが合うような気がします。 「登る」という表現より「歩く」という方が柔らかい印象を受けます。岩壁や氷壁はどうしても「登る」(登攀)でなくては様になりません。原則的に、スリルや緊張感とは距離を置く私の山は、「歩く」が似合っていそうです。 どちらでも良い話でした。 |