山のエッセイ3026  up-date 2001.09.12 山エッセイ目次へ

山頂でのマナー
山頂で気をつけて欲しいマナーの一つ。
これはよくあることで、誰でもそんな場面を目にした経験を持っているのではないでしょうか。
二つ事例をあげます。

▼夏の白馬岳山頂でのことです。人気ナンバーワンと言ってもいいほどの山です。山頂は入れ替わり立ち代り登山者が到着し、そして去って行きます。日中登山者の姿が途切れることはほとんどありません。
汗を流し、重い足を励ましながらようやく登りついてほっとしたとき、ほとんどの人は山頂での記念写真を撮っておきたいと思います。 「白馬岳」と書かれた標柱と一緒に写そうとすると、その標柱にもたれて休んでいる人、標柱の根元に立てかけてあるザック、あるいはその前に円座を組んで荷物を広げワイワイガヤガヤのおばさんグループ、とても写真を撮る状況にはありません。

▼これも夏、富良野岳山頂です。広くもない山頂には20人ほどの登山者がいました。 「富良野岳」という標柱があります。ところがその標柱に汗で濡れたシャツが2枚引っ掛けて干してあり、富良野岳の文字が隠れてしまっています。中年の女性グループでした。標柱の根元にビニールを広げて陣取り、食べ物を広げています。
仕方ないという顔をしながら、そこをよけながら記念写真を撮っている人もいました。 私は思わず「そこは物干し竿ではありませんよ」と注意すると、「すみません」と言いながらあわてて片付けていました。

似たようなケースはたくさんあります。
カメラを構えたのに気づきながら、どこうとする素振りも見せません。気の小さい人は「すみません、ちょっとどいてくれませんか」と声もかけられずに、『邪魔者』入りの写真でガマンしてしまいます。中にはめったに山へ登らないような人もいると思います。一生の思い出の写真かもしれません。大口を開けて笑っているおばさんや、洗濯物まがいのシャツが一緒に写っていたのでは幻滅ですよね。
気働きの問題もあるでしょうし、お互い疲れていて他人を気遣う気持ちも薄くなっていることもあるでしょう。でもその場所はみんなの場所です。考えなくてもわかることだと思います。
ぜひ守って欲しいマナーです。