山のエッセイ3043  up-date 2002.03.08 山エッセイ目次へ

山の名前(1)
『山伏=やんぶし』という名前の山があります。静岡県安部川上流部に聳える2000メート級の山です。 『やんぶし』と聞いても、たいていの人はそれが山の名前とは気がつかないでしょう。
××山、××岳なら普通。××森、××岱、××峰(嶺)あたりはまあわかると思います。
××塚、××倉、××ー、××丸となると「それ、山ですか」という人も出てくるでしょう。

北海道にはアイヌ語から来たもので、トムラウシ、ペテガリ、ニセコアンヌブリ、オプタテシケなどのように『山』も何もつかないものもあります(ただし、それが山とわかるように後に山をつけて呼んでいますが、本来は何もついていなかったのではないかと思われれます)
そうした北海道の山は別にしても、この山伏は珍しいケースだと思います。
山伏(やまぶし)と言えば山岳信仰の修行者を思い浮かべます。山名のいわれが、それと何らかのつながりがあるのでしょうか。“やんぶし”と読むところも面白いですね。

漢字で一番長い名前の山を調べて見たら5字でした。
黒部五郎岳、安部荒倉岳、大真名子山、二十六夜山、安達太良山、破魔射場丸、赤魔木古山 などけっこうあります。

カナで長いのは、カムイエクウチカウシ、ニセイカウシュッペ、上ホロカメトック、ニセコアンヌプリなどで、みんな北海道アイヌ語によるものです。。

それから品がなというか、ふざけたと言うのか、どうしてそんな名前を・・・というのに「金糞岳=かなくさだけ)。ぷんぷん臭ってきそうですね。
一方耳ざわりが良くて美しいのは、深田久弥も言っている「雨飾山」なんか素敵です。「蝶々深山(ちょうちょうみやま)」、「七時雨山(ななしぐれさん)」もいいですね。
位牌岳なんていうのもあります。こんな山に登ったら仏様にされてしまいそうです。

人の名前同様、山の名前にも面白いものがいろいろあるようです。
(ここに記載した山は私が登ったことのある山です)