山のエッセイ3051  up-date 2002.09.05 山エッセイ目次へ

さわやかだった山頂
戸隠連峰西端に「一夜山(1562m)」という山があります。高さから言うと山国信州では取るに足らない低山です。鬼か妖怪の巣窟を思わす峨々とした山容の戸隠連峰の中にあって、ただ一人大変おおらかな姿を見せている山です。
所在は鬼無里村ですが、長野市内からのアクセスも良く、また子供でも楽に登れる山と言うことで、訪れる人も大変多いようです。

昨日この一夜山へ行ってきました。マイカーでかなり奥まで入ってしまうので、登りはゆっくりと歩いて1時間ほどです。山頂近くまで車道のような良い道が延びています。山歩きには少々物足らなさを感じる山です。
あいにくの曇り空で、山頂からの眺望はほとんどありませんでしたが、高妻山、志賀高原、堂津岳、頚城連山を始めとして、北アルプスなど素晴らしい眺望が得られるそうです。

さて、小広い山頂に着きました。「一夜山」という標柱や、一夜山大明神の祠などはありますが、私製の登頂記念プレートはただの1枚もありません。いつかこのエッセイで私製プレートへの批判を書きました。それはゴミを作って山頂の景観を損なうだけ、ぜひ止めて欲しいと訴えました。
気軽な山としてさまざまな人が訪れているはずなのに、たった1つの板切れもない。こうした山頂はめったにお目にかかれません。実に爽やかな気分を味わって山頂を後にしました。